母方のお祖父さんが自転車に乗って家に訪ねてきたことがありました、家には直接上がらず玄関で私を呼びとめその時母親が留守だったので、お母さんが帰ってきたらこれを渡して、と封筒を託されました、暫くして母親が帰宅すると開口一番「あれ!お祖父さん来ていたの?」と私に尋ねたので「どうして、判ったの?これお母さんにって!」と預かった封筒を渡すと、「お祖父さんの足の臭いが・・・」ほんの1~2分の訪問で時間も経っていたいたのですが、残り香を置いていかれたようです、私は臭いには少し鈍感なところがあり、判別できにくいこともあるのですが、母親は敏感な方でした、そう言えばお祖父さん家にいくとタバコの臭いに混ざって独特な香りがあったなぁ、あれはお祖父さんの足の臭いだったのかと思い出しました。
私にはワキガというものがどういった種類の臭いなのかいまだにはっきりせず、逆に敏感で受付けられない人が、コンビニに入ろうとして入り口の自動ドアが開いた瞬間「あっ!無理」といって踵を返し入ろうとしないのを見て理由を訪ねると、店の客にその人がいるというのです、こんなことが日常茶飯事なので、良く判らない私にすれば鼻が利くと言うのは不便なものだなぁと感じていました、ちなみにこの人と食事に出かけて、注文した食事が出され、さぁ食べようと思った瞬間(パキッ)苦虫を噛み潰したような表情に変わり、「またやってしまった!」「何?」ゴキちゃんを踏み潰したというのです、それにまたって、こんな経験何度もあるのかと変な感心をしてしまいましたが、実際私の目の前でもう一度別の食事の機会に再現して見せてくれました、まるで美味しいモノを美味しく頂けない何かを持っているようでした、私は意地でも目の前に出されたものは頂きますが、その人はもう要らないと箸を置いてしまいます・・その他にも、賞味期間が余り無いという理由冷蔵庫の中の食べ物をポイポイ捨てているのを見かけたこともあります、未だ期間切れてないのに勿体無いことをするなぁ、食べ物を粗末にするから変わった因果報応に会うのかなと思ったりしました。
人間の嗅覚にはフェロモンを感じる機能もあるそうです、男性が女性を、女性が男性を、視覚の次に情報を受け取る感覚として、離れていても伝わって来るモノです、フェロモンは一般に言う臭いとは少し異なる化学物質だそうです、昆虫の研究から発展した分野だそうですが、本能的な情報をやり取りすることが可能なようです、空気中にほんの少し成分が漂うと受け取る側から感じ取ることが出来るようです、その情報の中には遺伝子情報も含まれ暗黙の内に自分という固体の情報を認識してもらうべく発散し、特定の受容体を刺激して男女の巡り合いの斡旋に貢献しているのかも知れません、男女の出会いは先ず視覚から始まりますが、女性の場合、通常お化粧して化けているといえば語弊がありますが、美の要素を強化しています、
選択する衣装の趣味も重要な要素となります、本人の価値観が身に着けるものに反映されるので、この段階で好き嫌いの相性が発現されることになります。
次に届く情報として嗅覚が機能します、嗅覚を刺激して自分を認識して貰らったり自己アピールをすることになります、自分に合うと感じる香水を付けたり、有名人御用達のモノをまねて、その効果を期待したりします、これは元来人から発散されるフェロモンを補助する場合もあるでしょうが、うやむやにする効果も出てくるかも知れません、この段階でも好き嫌いの相性が発現され、自分の受容体に合致するフェロモンを感じ取ることが出来れば、相手を意識することになります、意識して機が熟せばどちらかから声を掛ける事になります、それまでも偶然に声を耳にすることが遇ったとしても、自分に直接掛けられる声とは少し違います、声にも不思議な力があります、言葉の選択や会話の速度や声の高低、相手の聴覚を通して伝える情報には気持ちを言葉に乗せて伝えることはもとより、時として自身の話術に相手の思考を嵌めてしまい口説き落とすことも可能になります勿論この段階でも好き嫌いの相性が発現され、相手の発する言葉から、その人の性格や、知能の程度、モノの考え方や、生活環境が窺えることになります、ただ言葉の中には自分を良く見せたいが為に嘘で修飾したり、都合の悪いことをいきなり暴露することなく黙秘権も行使されたりします、この行為はこの段階で結構多いです。
そしてこれらの関門を無事でも渋々でも潜り抜けることが出来たら、男女の人間関係が始まります、付き合っているうちに、相手の事がだんだん好きになっていったり、お互いを学んで自分を変えることもあったり情が流れることもあるでしょう、そして人間の動物としての本能の性欲が発現されることとなり、お互い触れ合うことを望む段階に到達します、触覚によって相手のことをもっと深く知るのと同時に自分のことも曝け出すことになります、この時点では人が持つ五感全てが絡み合うことになるので、お互い様々な情報を複雑に交換することとなります、しかも大自然が与えた快感という悦びがオマケで付いています、人はこの段階で自分という存在は実は半分に割れたりんごの片割れのように、不完全なもので在ったことを悟るかも知れません、いくつもある人生の目的の一つを体現することになります、特殊なケースでしょうが、お化粧を取った素顔を観たり、シャワーで香水が洗い流された後の身体から発散する本来の体臭を嗅いだり本当の姿を垣間見ることになり、話が違うとそのままバイバイすることも有り得ます・・普通は男女間の絆が芽生え生涯連れ添うことになるパートナーの有力候補となっていきます、そしてパートナー関係が始まると初めて全く違った戦いのスタートラインに立つことにもなります。
パートナーになると色々な要素が交換されるので一人の時とは対外的に外観や人柄が変化します、そんなパートナーに補完された人格を理想に見えてしまう人もいるようです、人の倫理を外して誘惑し、元パートナーと引き離して自分のパートナーにしてみても何かが違います、自分が理想だと思った部分は実は元パートナーが補完していた部分だったということも考えられます、だから感覚に伝わってくる情報も全く鵜呑みにはできないのです、他人のモノを無闇に欲しがると落とし穴に落ちることもあるのです・・・