どんな頭の良い人でも自分以外の人を頭が悪いと評価するのは的を外しています、自分自身がいくら賢く生きようとしても、完璧に実践できる人なんでいる筈が無いのです、自分はパーフェクトだと思うのは自由ですが、他人にそのことをアピールするなら、その人は分かっていない人、亦は悪意のある人です、普通頑固で融通が効かず、人の助言を頑なに拒み自分のスタイルを守り通して失敗したりすると、人はその人のことを頭が悪いと思ったりしますが、その人がそういうスタイルになったのにも理由が有るのです、その人の環境がその人のスタイルを作り上げ、その人はそのやり方で、簡単に過ごせない人生の試練を乗り越えてきたのです、誰も頼るものがいない環境で責任を押し付けられ、自分の力しか信じられないようになったのかも知れません、ただ人に教えてもらったやり方でモノ事が解決できても100%ではないのです、実はもっと確率が悪く75%かも知れません、すると25%は人に教わったやり方を実践して失敗することもあるのです、頑固な人にはこのリスクがありません、何度も他人に騙されて失敗を経験したから自分しか信じないことにしたのかも知れません、ギャンブルの世界では確率が勝敗の全てだと言っても過言では無いでしょうたった数度の勝負なら偶然のツキもあるでしょうが、経営者側は確率が計算されたシステムを作っているので長丁場では絶対負けることが無い確信をもって胴元をしています。頑固な人は賭博にも手を染めまない人が多いかもしれません、そうなれば頑固な人は賢明だと評価できます頑固で融通の効かない人はシチュエーションによれば頭の良い人になります。
世の中で頭が良い人とされるPROFESSOR(博士)DOCTOR(教授)RESEARCHER(研究者)
でも、自分の学説や理論の主張を発表し論戦に至ることはしばしばあります、自分が発見した現象や理論が、分かって貰えなかったり、無条件で否定されたりすると、あいつは理屈を知らない奴だとなります、世のお偉い先生方でもこの調子です、逆にお偉い先生だからこそ簡単に自分の主張は曲げれない世間的立場を持っているのでしょうが、それと理論とは元来別次元の筈ですが偉ければ偉いほど教えてくれる人が居なくなるので、ある意味対外的な干渉による自身の考えの成長が固定されてしまうのかも知れません、かのアインシュタインでも新しく発表された量子論にアレルギー反応を起こし神はサイコロを振らないとか言って認めようとはしませんでした、最終的には敗北を認めたので、やはり本物の天才だったようです、いくら頭が良くても、自分一人の頭で考えるより複数の頭脳で同じ命題に取り組む方が有利です、また、世に言う先生の発する言葉には一般の人が発する言葉と比べ物にならないくらい言葉を受ける人にとって影響力が大きくなります、先生が間違った情報を流してしまうと間違った認識をする人を増やします、これは先生で無くてもファンの多い芸能人でも政治家でも同じような効果が現れます、人が人なりの主義主張を持つのは自然です亦それが個性であり尊重されるべき部分でもあるのですが、自分の生徒やファンにアピールする時や有権者に訴える時には注意が必要です、最後まで責任のある方法で言葉を発する必要があり、それが出来ないなら、言葉を発信しない方が未だましです、世を乱すことにも成りかねません。
NASAは世界一のレベルのロケット技術を誇っています、世界有数の専門工学のエキスパートも集まっていることでしょう、しかし彼らのモノの考え方の基本には、一度成功した方法と同じ方法でロケットを飛ばすと同じように成功するという考えがあるそうです、歴史的に今まで前例が無かった最先端技術を創造していくのですから、その都度その都度に実績を積み重ねデータを蓄積することは重要です、その蓄積が成功の根拠にも成っていくでしょう、しかしいくら慎重に蓄積されたデータを分析しても、ロケット技術には人類が経験したことの無い未知の要因が絡んでいるのでしょう、一度成功した方法には成功に導く正しい条件が含まれているのは間違いありません、でも完璧では無いから、稀に失敗します、失敗するごとに原因が究明され、亦データに蓄積されますが、最先端技術の宿命と言うかなんと言うか、何時も想定外の原因で事故が発生します、新しい技術は子供の成長と同じように失敗を重ねて進歩していくモノなのかも知れませんが空中爆発する映像は余りにも悲惨です、当然予算の関係もあり完璧な予備実験も出来ないでしょう、そうしながら人類は進歩してきたのでしょう、しかし近未来に人工頭脳がクラウドデータを統合して活用するようになると、人間は全員頭の悪い存在に成るかも知れません。
ビジネスを始めた頃、父親の後輩ですごく優秀な人に挨拶に出向いたことがありました、その方は国立大学を優秀な成績で卒業し、造船関係の会社に就職し、メキメキと実力を発揮し、職位を上げ海外の上場造船会社のスカウトを受け最終職位は副社長まで登り、国の諮問委員まで務められた方でした、その方は小学生の頃の私に、オジサンは何十メートルもある船を新しく作ったりしていて、造船ドックで山のような部品を引っ付けたり、組み立てたりしているんだよと、子供の私の想像力を搔き立てるような説明をしてくれたことがあり、私からはスケールの大きい仕事をしてらっしゃるんだなぁと感心するのと同時に自分も何時か世の中に出る時には、オジサンの様にスケールの大きな仕事が出来たらいいなと思わせてくれた方でした、この方は父親の実家のご近所の方で、厳しい生活の中、苦学されて学校に進学され、社会人に成った時、一度だけ父親から少しばかりの金銭援助を受けられたそうで、その援助は約束通り父親に返済し、その後も父親に対し自分の職位がどうであれ、恩人として目上と
して最後まで立ててくださいました、だから私が訪ねて行った時も、心から歓迎してくださり、洋酒の手土産を持って行ったのですが、こんな気を使うなと叱られ、逆に取れたての松茸を山盛りご馳走して頂きました、松茸だけでお腹を一杯にしたのはあの時が最初で最後でした、オジサンはビジネスをして手に負えない問題が発生したり、困ったことがあれば何時でも相談しに来なさいといってくださり、私の心強い支えとなってくれました。
実はこの訪問時とてもショッキングなことがありました、私はオジサンより少し早くオジサンの自宅に到着し、オジサンの帰宅を待っていたのですが、当時19歳になるオジサンの息子さんが自宅にいらっしゃったのですが様子が変でした、丸裸だったのです、そこにオジサンが帰宅し、まるで全くの健常児に話されるように、~お客さんが来ているのに駄目でしょうと諭すように・・・息子さんはお父さんが帰ってきたと喜びお父さんの外したネクタイを自分の首に巻き部屋を裸で走り回ります、私には言葉が見つかりませんでした、オジサンはこの息子は自閉症で、自分はいくらお金が掛かっても治す覚悟だと、そして一つだけ私に頼みごとをされました、自分の同郷の親友に~が居る、親御さんが文房具屋さんを営んでおられたから君も知っているだろうと、知るも知らないもそのお店は父親の倉庫の隣にあり私が2~3歳の頃、いつも勝手に駄菓子をくすねて迷惑を掛けた店で、実はその店の頭の良いお婆さんが店の奥から私の行動を監視し、今日は~ちゃんはこれとこれを持っていきましたと私の母親と事後計算をする約束になっていたようです、そのお婆さんにも私は人一倍可愛がられていましたが、そのお婆さんがまさしく親友の親御さんでした、自宅も知っていましたので、息子さんの連絡先を調べ連絡させて頂きました、そのご親友は小、中、高と同じ学校で国立大学も各部が違うだけで
同じ大学だったそうです、彼は医学部を出て脳外科を専攻していた筈なので、彼の専門家としての見解や出来れば人脈も紹介してもらいたいし・・・
その後、帰宅し母親にことの経緯を話すと、母親はあのお宅は何故か飛び切り頭のいい人か、少し障害のある人しかいないと・・実は20年以上前にあの方はとても綺麗な大学出の奥さんをもらい結婚生活を始め直にお子さんを授かったのだがそのお子さん(息子)に障害があった、水頭症か何かの障害があり何度も手術したと聞いた、そして何度か入退院を繰り返し、最後の退院の日、奥さんの目の前でトコトコと歩いたと思ったらタクシーに引かれて死んでしまったそうだ、その時奥さんのお腹の中にもう一人いた筈だと、おそらくお前が会ったのはその子だろう、年もそんなもんだし・・・母親が懐妊時に強烈なショックを受けると障害がある子が生まれることもあると聞きました・・私はオジサンとその後、二、三度合う機会がありお話しましたが、このオジサンは徹底した無神論者であり、ご先祖の存在も否定されておられました、人間は死んだらお終い!あの世なんて考えはナンセンスであり、人が死んだらそれは単なる元人であった死体となり、お墓なんかも必要ないとおっしゃいました、だから坊主も要らなきゃ、拝み屋も要らないと・・・私の両親は神様を疎かにせず、先祖にも供養しお墓も大事にしておられたので、その教育の下育った私からはオジサンの考えに対して違和感を覚え納得できないところもありましたが、こんな偉い頭の良い人に私のような小僧が何を言えるでしょう・・最後までその事をオジサンに言うことが叶いませんでした、オジサンは神も仏も無いと思わせるような経験をしてそんな考えになったのか、元々そんな考えをお持ちだからそんな経験をされたのか、私は計る術を持ち合わせていません、しかし頑なに神仏を否定する事により神仏に対して無知を通し、頭の悪いことを自分で作り上げたのかも知れません、頭が悪いということは実は頭のいい人が自分の中に同時に介在させることかも知れません、今となっては手遅れですが、あの時オジサンの為に、もっと頭を悩ませて方法を模索しちょっとでも思いを伝えることが出来なかったかと悔やまれるだけです・・・