兄弟で会社を運営されてた取引先があります。先代の事は詳しく存じ上げませんが、社長と専務の役職で上手に役割分担しながら頑張っておられて双方ともに良くお世話になりました

世代が替わっていく課程で社長さんは顧問さんに、専務さんは社長さんにそれぞれ役替えされ顧問さんの息子さんが新しく入社されて何度かご一緒させてもらったときの話です。先代から事業を兄弟で引き継ぎまた息子さんたちが新しい人材として加わっていくなんて素晴らしいですねといいながら、新社長さんにはご子息はいらっしゃらないのですか?と尋ねると、いらっしゃいますが、僕なんかと違ってとても優秀で現在東京大学在学中で、仮に卒業しても官僚を目指しこの会社に参画することはないと思いますと教えてくれました。それは凄い!どんな教育方法でそんな難関を乗り越えられたのか機会があれば新社長さんにも是非伺いたいものです・・・

 

 難関国立大学に合格される方は、教育に理解のある家庭で小さい時から塾に通ったりして、勉強そのものを習慣にし、受験制度に合わす形で出題者の望む回答を出せる練習をするようです。問題の中には複数の回答があっても矛盾しない時もありますがそれでも出題者の考えているほうの回答を選択しないと×となります。出題者は自分が過去に経験した回答を想定して問題を作りますので受験者は過去の問題を調べることになります、優秀な人には例題を参考書等で調べるということは別段苦では無いようです、逆に自分で文章を起こしたり、回答のを理屈立てを考えることを邪魔くさく感じ、苦手なようです、調べれば答えが出てくるのに何故わざわざ考える必要があるのだという感じです、いわゆる普通の人は優秀な人が苦に思わない調べるという勉強法が邪魔くさく感じ、調べなくても回答するためにその場しのぎの言い訳じみた文章作りや屁理屈を理屈立てする能力の方が鍛えられるようです、しかしこれでは試験には合格できません。

 

 かくして受験戦争に勝利した優秀な人が社会に出るとエリートコースを歩むことになり、社会の中では普通の人の上位に組み込まれて普通の人を管理する側となります、司法試験も全く同じ理屈で法律の勉強はもとより過去の膨大な判例を調べケースごとに回答していくことになります、そして合格すればその上の上級試験を目指し猛勉強し最終的には判事を目指すそうです、判事になれば同じ判事の先輩以外にその上に立つ人はいなくなります、いわゆる本物のエリートです。ただその課程で司法試験には合格したけれど上級に合格できず年齢ほか色々な事情で諦める人は弁護士の道を歩むようです。また上級試験はそんな優秀な人をも篩いにかける難しいものなのです。

 

 この試験制度の勝利者は自らの勝利したスタイルやものの考え方を判事になっても持ち続けます、裁判の判決で自分なりの判決理由を考えたり編み出したりすると、先輩に怒られるそうです、君が生意気にも君なりの解釈で判決を下すと、過去の我々が下してきた諸先輩方の判例から判断した判決を暗に否定することになると圧力をかけられ、右へ倣えしないとよってたかって虐められ出世コースから外されるそうです、よほど社会的に大問題を起こし全国民が注目する様な裁判は例外もありますがそんな裁判は必ず合議制という複数の判事による共同判断となり、個人的判断は採用となりません。

 

 昔、親父の会社が元従業員から損害賠償裁判を起こされ悔しい思いをした経験があります。その元従業員は入社時に自分は糖尿病に起因する緑内障の持病がありトラックの運転は出来るが必ず助手を付けて下さいとの説明がありその通りにしていたのですがある時期から無断欠勤するようになり何日か休んだ後出社したかと思ったら怪我をしたのです、トラックに荷物を積み込み中、吊チェーンが切れその破片が眼に当たったと訴えたのです、そのときすぐ横にいた助手も、トラックの下で一部始終をみていた人も後の裁判で証人席で証言していただいたのですが、怪我をしたなら兎にも角にも病院で診てもらうために一番近い外科病院に連れて行きましたが目の下3cmぐらいのところに打痕があり少し腫れていたようですその治療をし、労働中の災害なので労災保険処理をしてその日は自宅に帰ったのですがその後1人で大きい病院の診察を受け、今度は眼圧が異常に上がり、目が殆んど見えないと医師に訴えそんな診断書も取ったようです。その後会社に車で来てしかもその車は会社から離れた所に駐車し(見ていた人がいた)お宅の仕事で怪我をしたから慰謝料を払えと、払わなければ事件にするとか、そのときは上司の兄に追い返されていましたが、暫くして訴状が届きました

 

 内容は事故で片目が見えなくなったので遺失利益の損害賠償を要求する内容でした金額算出にはホフマン係数が何たらかんたら800万円以上の要求

 

 会社としたら受けて立つしかないので大手有名企業の顧問弁護士も勤める優秀な先生を紹介していただき裁判に挑むことに・・先生は「いやぁ~えらい裁判かけらたな!この裁判は勝てない裁判で雷に打たれたと思って諦める覚悟がいると・・通常2件も病院を回って第3者の診断書を取り労災という半公的機関の認定を受けてしまえばそれを覆すのは不可能に近い、おまけに向こうの弁護士はこんな裁判ばかり手がける医療関係専門の弁護士だ、依頼されたからには最善は尽くすが・・・」裁判になり、先方は先方の勝手な主張、こっちは関係者の証人を交えての反論、判事は双方の意見を聞く時間を設けながらも、双方の弁護士を呼びお前達わかっているな見たいな表情、・・俺は忙しいんだ、こんな個人的な裁判で長々と判決分を考えるのも文章を作るのもご免だ何時もの様に間をとって400で手を打って和解させろ、気に喰わなかったらそちらを敗訴にすると・・・そんな理不尽な!でもこれが日本の裁判所の現実です。

 

 弁護士に説明を求めると、弁護士は~さん貴方はお若いけれど正義感も強くかつ聡明な立派な人だ、私は元々判事になりたくて司法試験を受けたが夢は叶わず弁護士を自分の職業として選択した、それでも若い頃は自分の正義感の下、違うと思えは担当判事にも食って掛かった、貴方がそんな世間知らずな判決をすることで世の中の犯罪を助長することになるとやってしまったことがある、その後、私の弁護する裁判にはことごとくその判事が担当することになり総ての裁判で私の弁護する依頼者が敗訴することになってしまった、私がその判事に自分が浅はかでしたと侘びを入れるまで・・・でもこれだけは言って置きます私は日本では大手有名企業の顧問弁護士を務める優秀な弁護士なのです。

 

 決った判例だけの判決しかしないならロボットでも出来るし、その判決すら邪魔くさいなら何のためにいるか判らないし、ましてや己のエゴの為、裁判結果を操るならそんな人種は豚の餌にでもしなければなりませんが、現実日本のエリートの頂点はそんな人が脈々と居座り続けています。いったい誰が得するのでしょう?優秀な人の篩い分けカリキュラムに是非ともハーフマラソンでも付け加えて欲しいものです・・・・