少し郊外に移動すると、山の近くでとんびがくるくる円を書いて飛んでいるのをよく目にします、羽ばたく訳でもなく、滑空するのでもなく、翼を一杯に広げて風を溜め込みながら、凧なら繋がる糸がないと何処かへ飛ばされてしまいますが、上手に羽で舵をきりながら、まるで空中の見えない螺旋階段を登るように徐々に高度を上げていきます。時たまピ~ヒョロロロと鳴くのでとんびであることが判ります、彼らはすごく眼が利くので上空から獲物である小動物などを見つけると、今度は逆に風の抵抗が一番少ない姿勢で一直線に降りてきて距離が詰った絶妙のタイミングで翼のパラシュートを開き速度を落としながら鉤爪を獲物に引っ掛けるとタッチアンドゴーで安全な場所まで運んでいきます、周りの状況によって低空飛行で滑空しながらとかその場で押さえ込んでしまう時もあるようです、捕食されるリスクの高い小動物たちは首の長い渡り鳥が上空を横切っても反応しませんが、猛禽類の影か見えると本能的に逃げ出すそうです。
鳥たちは空を飛び、空を利用して生きているので、風の力や気流を誰よりも知り、また感じています。水面を走る帆船が帆に風を溜めながら、舵を操作して風に向かって進むことが出来るように、彼らの翼は航空機の主翼のように(もともとは航空機の翼のほうが鳥の翼を真似た)翼の上下の形状で空気の流れや抵抗を変え進行するだけで浮力が得られるし、尾羽を上手にコントロールしたり左右の翼の角度やバランスを変えることで自在に空中で姿勢制御します、勿論吹く風を利用できない時は体力は消耗しますが羽ばたいて飛翔することも可能です
彼らは軽量化することで飛翔能力を獲得したので、あまり体重を増やしてしまうと、ダチョウやペンギンのように飛翔能力を失います、しかしダチョウは早く走ることで、ペンギンは早く泳ぐことでその能力を特化して失った分を補っています。 とんびやペリカンやワシやコンドルのように大型に成れば成る程、重くなった体重を打ち消す為に風の力を利用する必要が出てきます、大昔の翼竜にも同じ理屈があったと思われます。
アインシュタインの時代の理論物理学でエーテルと呼ばれた存在が取り立たされたことがありました(今もあるそうですが)有機化合物のほうではありません、光を含む電磁波には波の性質がありそれは何も無いはずの真空中でも伝わるので、何か波を伝える媒体となる存在がこの宇宙に満ちている筈だということで想定された物質です。その存在を証明しようと様々なアイデアが出され実際検証実験もされたようですが全て失敗に終わっています。当時の実験装置の精度に問題が無かったとしたらエーテルは存在しないことに成ります。何の権威もありませんが私個人的にはそんなものは存在せず光を含む電磁波の波の振幅方向は異次元もしくは平行宇宙の方向だと思っています、あくまでイメージとして2次元の紙を3次元方向に裂いて行きその裂け目の進行が光の進行で、現実のこの世界が時間も加味して4次元時空だと仮定するともう一次元上の方向に光波の振幅の幅の亀裂若しくは断層が伝わっていく感じです。ただ現在も発展中の理論物理学ではこの世は十一次元だと仮定とするとアインシュタインが大好きだったエレガントな結論を導けるそうです。
いずれにせよありもしないエーテルの風をつかまえることは異次元の風をつかまえると言う事と同義になりますので雲をつかむより難しいことになります、しかし私はエーテルに限らずどうにかして智慧を絞りアイデアを出して新たらしい風をつかまえようとする人が大好きです、また自分もそうありたいと思っています、人工頭脳にお手伝いしてもらっても全然OKです。実験が失敗に終わろうが、馬鹿にされようが背理法的には外堀を埋めていく行為ですので意味もあります。きっと人工頭脳もそんなデータを探していると思います。飽くなきチャレンジを繰り返すものだけが可能性を手にします、何時の日か予想だにしなかった突拍子ない事象に起因して不可能を可能にする風をつかまえることができたら無茶苦茶楽しいじゃないですか・・