以前、仕事で出会う社長さんたちに機会があるごとにインタビューをしていました、後学の為に教えてください、社長さんは何の目的でお金を儲けますか? 自分は自分と家族の為に安泰に暮らせるだけの財や収入源を手にしたら何時か訪れる引退の後の余生も誰に気兼ねすることなくたまには旅行に行ったり、のんびりと暮らしたいが為お金を稼いでいるという堅実的な回答から自分は何時の日か儲けたお金で学校を創り、自分が人生で教わったり、自分だけが発見したり感じたりした現実を後世に伝え、自分が生きた足跡をのこしたい。という少しロマンチックな回答や自分は時代に翻弄され力が弱いために世の中の現実にも流されボロボロになって最後は看取られる身内もないので誰知れることなく一人さびしく亡くなりその上遺体の引き取り手も無いような可愛そうな人がほんの少しでも暖かさを感じれる様にする為お金を使いたい。とショッキングな実体験が引金になってその目的とした回答もありました。私が聞かせて頂いた回答を延々と列記してみても意味が無いので一度機会があればご自分で聞いてみてください。きっと興味深い回答がたくさん集まることと思います

 

 中には色々な事情で回答して戴けなかったり、回答して頂いたけど私が思い出せなかったりもありますが、やはり世の社長さんたちは自分自身の事業欲に押されてという回答が多く、会社の規模が大きく成れば成る程お金儲けは自分だけの目的で無くなり、社会のお金の流れのシステムに組み込まれて行くので他動的にもお金儲けをするしか無くなって来るようです、

ある社長さんは、もうそれだけ儲けたら充分じゃないですか?と尋ねても自分でもそう感じるときはあるがこの事業欲というのは果てが無く自分自身でもどうしようも無いんだとおっしゃっていました、一種の中毒性があり、何度か自分の考えの通りお金が入ってくると、次はその考えを発展させたり改造したりして、もっと、もっと、と現実世界にチャレンジしたくなるようです。

 

 私はナスビが大好きです、ナスビ料理さえあればそれだけをおかずしてご飯が食べれます、毎回同じメニューでも大丈夫です、特に茹でて、割いて、絞って、薬味であえて造った料理は最高です(あぁ食べたい!今晩のおかずにしよう!) ある会合でそんな話をしていると聞いてた人が「実は、俺もナスビが大好きで、親戚の中でもそのことは有名で、ナスビさえあれば・・」

とナスビ談議に花が咲くことに・・いやぁナスビのことに関しては譲れません、だって自分は前世ナスビだったんですから・・というのは、うちの母親が私を身篭った時に見た夢、俗に言うところの胎夢ですが、母の里のどこかの堤防のような道を歩いていると母親(お祖母さん)が野良仕事をしているのが上から見えたそうです、その畑には一抱えもありそうなナスビがゴロゴロと実っていて、お母さんすごいじゃない!とか言うと、どれでも気に入ったやつを一つ持っていきなさいというので、一番大きそうな艶の良いのを選んで貰って帰ったそうです、その後、暫くして懐胎を知ることに成ったそうです、「うちのお袋も俺を授かった時にナスビの夢を見た」と言い出し盛り上がっていると、それを聞いていた別の人が俺が聞かされた母親の胎夢は~

 

 母親が夢の中でどこかのお堂で子供を授けてくださいとお祈りしていたところ、にわかにお堂の外に暗雲が立ち込め、その暗雲から一匹の金の龍が飛び出し空を駆け回った後お堂に入ってきて自分の脇に飛び込んできたと聴かされたそうです、この人はその話もまんざらありそうだと思わせるぐらい物凄い人だったので、ナスビ談議の二人の会話は一瞬途切れてしましました。でも昔から 一富士、二鷹、三ナスビ といわれているくらい縁起のいい夢ともいえるので卑下する処は全然ありません、それよりフロイトに夢判断させると女性が見る夢の中のナスビは男性自身の象徴で、その夢と懐妊の時期が重なるというのは物理的に至極自然なことで案外その時期にナスビの夢を見る母親は多いのかも知れません。

 

 この物凄い人がご自分でおっしゃるには、俺は40代になる頃には自分一人の力で45億ほど財産を築いた、その後順調に財を増やし今数百億掛けた事業を推進中だ一度遊びに来なさいというので名古屋の大金持ちとナスビの同士と3人でこんな機会滅多にないと言う事でお邪魔することに・・到着すると本人が迎えに来てくれ建設中の事業現場に連れて行って頂きました、その事業規模に圧倒されながらも名古屋の大金持ちは私に「~君!これぞ男のロマンだで!」とか言われました、ちょっとこっちに来てとおっしゃるので付いていくと工事の人が利用するプレハブの仮事務所、事務所には用は無く、事務所入り口の横にある水栓の蛇口をおもむろに被ねって水を出すと「触ってご覧」と言うので触ると手に温い感じがありました、自分は工事用水が欲しくてボーリングしたのだけど温泉が出てきた、熱い湯じゃないけど、これ位の温度があれば追い焚きする経費が安くあがるから充分採算が取れる、自分は温泉には関心が無いので利用しないが・・とおっしゃい次は自宅へ

 

 さすがに立派なお屋敷でしたが、入れてもらったのは執務室というか自宅事務室とよぶべきかそんな部屋、見て先ず眼に飛び込んできたのが部屋の隅に天井近くまで積み上げられた何重もの冊子の束というかタワーというか「これは何ですか?」と聞くと「それは写経だ」、座卓の横には直径20cmはあろうかと思われる水晶玉、「これは?」「それは見た通りの水晶玉だが時々心を平静にする為に眺めている、写経も同じ理由だ」といわれます、その時一瞬その人の眼の奥から怖いものが見えました、お金の沢山掛かる事業を推進すると自分の周囲の人たちの欲望を刺激するのか予想もしなかった妨害や裏切りに合う嫉妬ねたみもあるだろうけどお前が裏切ったら駄目だろうという奴も敵に寝返る、そんな時怒りでその裏切り者を殺してしまいたい衝動が湧き上がるのでそんな感情を抑えるため、平常心に戻って対策を練るため利用していると物凄い理由の説明・・

 

 「で、どうされました?」「その時は、何だお前達!よってたかって反対しやがって!もういい!俺も反対だ!」といって暫く放って置いたそうです、暫く時間が経つとその者たちはあてが外れたかな!みたいな感じでチョコ、チョコと自分の様子を伺いに来るようになったそうです、ある者が意を決したように「もう、いいんですか?」と言ってきたので、無碍にせず「いいもわるいも、お前たちまでみんな反対するなら術が無いじゃないか!もし反対が賛成に変わるなら一人幾ら位までなら出せるんだけどなぁ~」と計画進行開始です、眼の色が変わったその人は、それは自分にも適用できますか?「当然!」うちは4人家族ですけどx4倍?「そうなるな!」それからというもの率先して動き出し、集めた分だけ支払ってやると、その者だけじゃなく終いには反対側の最前列にいたような連中も我先にと仕事を始めたと言います。結果一番最初に計画したその為の予算の半額ぐらいで予定よりもずっと早くその問題は解決したそうです。

 

 一泊2日の旅行でしたが名古屋のお金持ちもいらしたので生まれて初めて本物の料亭についでに連れて行ってもらい夕食をご馳走になりました、当然会員制のそのお店に顔パスで入ると長い長い廊下を案内され目的の部屋に到着するまで2箇所休憩所がありました、その間歩きながら廊下からは日本庭園を色々な角度で見学でき、嗜好の凝った演出になっていました。ようやく部屋に到着して席に落ち着くと先ず担当の仲居さんからメイン料理の説明が、アンコウのお鍋だったのですが、その鍋は鍋自体に出しが浸み込み水を入れて炊くと浸み込んだ成分が~うんちくはありましたが確かに少し感動する美味しさでした。

 

 その後は女将さんの登場です、綺麗な女将さんというより綺麗でしたが目のくりっとした若く可愛い女将さんでした。その後食事が始まりお決まりの芸者さんが登場!「よぉー待ってました!」とナスビの同士が実はこの人も本当は只者ではありません、ここでは詳しく説明しませんが、かの笹川良一と差しで飲んだ経験をお持ちのある意味凄い人です「やぁ~あの時は緊張して体がガチガチになったよ!」・・何やかんやで貴重な体験しお話も伺えました、このメンバーで私だけが取るに足らない存在でした。

 

 その後事業は順風満帆ではないけれど紆余曲折を乗り越えながらも成功し、その人の想い通りに願いが叶ったそうです。ただこの人のお金儲けの目的を聞けなかったのが残念ですがもう年配だし無理だろうなぁ~!