大好きな母方の祖父は自分に似てると言って特に私を可愛がり、
従弟と遊ぶ弓矢を作っていると(弓はこうして作るんだ)と教えてくれ
たり孫目線で相手してくれる優しい人でした(すると祖母はつかさず
爺さん!自分が遊びたいだけだろう!)と何故か文句が入ります。

食卓を囲んでご飯を食べながら米粒を箸でツマミ(俺達の時代は
米粒一粒生きる道と言いあって大事に戴いたものだ、だから感謝して
残さずさず食べなさい)と話して人生の教訓を聞かせてくれました。
でも祖母は(何を偉そうに!穀潰しの博打打ちが!)と貶します。

祖母と云えば機会が有る度に自分が如何に苦労を重ね財を築いて
きたか・・でもぐうたらジジイとドラ息子のが全部使ってしまい貧乏を
強いられている・・悔しい!と・・でもこの祖母は間違いなく大好きな
母の人生のお手本であったし、男性の様な試練に耐えた人でした。

結局、男勝りの性格の祖母に対し、祖父は優しい人だったんだと・・
若い頃は剛力でヤーさん相手でも(俺に奪われて刺されるドスを
持って来い!)とか男相手には一歩も引かない人だったと伝わって
います。でも頑張る祖母には一度も手を挙げなかったそうです・・

籾は種ですが殻を除いて玄米にすると栄養豊富な食品となります。
玄米を精米すると糠や胚芽のとれた白米となり、炊くと美味しく消化の
良いご飯となります。このままでも主食として食卓に並びますが、加工
して炒飯にしたりカレーソースを掛けてカレーライスにもなります。

酢飯にしてネタを乗せると寿司になったり千変万化しカタチやアジが
変化します。コンビニの棚に並ぶおむすび一つとっても鮭、おかか、
昆布佃煮、梅干し、ツナマヨ、高級なところでイクラ等等買う人の
選択を促します・・・でも元は一粒の籾から分化したモノなのです。

玄米が精米されて白米となり白米が炊かれてご飯となり、ご飯が
むすばれておにぎりとなり、中に入れるもので種類が選択出来ます
勿論海苔だけ巻いた塩むすびも在りますが、選択の連続の結果が
横に並び、そこから縦横無尽に買われて行き人々の糧となます・・

ひと粒の籾からすればこれらは謂わばパラレルワールドなのです。
イクラを入れられて高級と呼ばれるか?ただむすばれて塩むすびに
なるか?はたまた売れずに賞味期限が過ぎて処分されるか?ソコには

善いも悪いも無く、カタチが変わりトキがズレても元は一つ・・・

祖父も祖母も元は一つ。コンビニの棚の横に並ぶおむすびと大差
無いのです。それは貴方と私の間も同じ、その証拠に今同じモノを
見ているでしょ・・・・違って観えるのは好き嫌いに基づく選択の
結果でしか無く、実はエゴと執着と順番の仕業なのです・・・・・