今から思えば、

母の過干渉から逃れたくて…

というのが、

「結婚」を決めた理由のひとつだった。

「結婚したい」よりも

「家を出たい」気持ちが

まさっていたかもしれない。


母から離れて、

やっと自分の人生を歩けた。

娘たちも生まれて、

今度は自分が母となった。


愛しい愛しい存在。

ありったけの愛を注いでも足りない。


そしてまた、ずっとずっと…

私自身も愛される母でありたかった。


時を経て、

諸事情から、実家に戻らざるをえなくなった。


母と私と娘たち。


母は私に…

自分が私を育ててきた方法で

娘たちに対することを望む。

決して強いられているわけではないが、

日々「圧」を感じる。


抗いきれずに、

私は娘らに過干渉気味になる。


いや、母の「圧」のせいばかりじゃない。

私自身の心配性に

そうさせられている部分もある。

強すぎる「母性」というものだろうか。


母の過干渉の理由が

今になってわかったような気がする。


ごめんね。

あの時、嫌って離れていって…。

心の中で母に謝る。


そしてその反面。


ごめんね。

あの時、自分が嫌ったことを

あなたたちにしちゃって…。

心の中で娘たちに謝る。


あやまってばかりだな。


そうして育った娘らは、

今、家を出て行こうとしている。


そうだね。

それがいいよ。


しっかり自分の足で歩いてごらん。


母はまた、私に「反対」することを

望んでいるようだけど、

今度こそ、私はゆるがない。


しっかり自分の足で歩いてごらん。

応援するよ。


私のようにはならないで。


今の私にできることは

それだけしかない。