気仙沼大島からの帰り道に目にした

「気仙沼復興祈念公園」の看板

 

次の日、朝1番に向かった。

 

写真は「3.11伝承ロード」

震災伝承ネットワーク協議会事務局(国土交通省東北地方整備局企画部)HPより

 

 

 

 

 

この場所は、

 

ほかの地域にある復興祈念公園とは違って、

 

津波の浸水域にはなく

 

復興商店街などもない。

 

伝承施設とも離れている。

 

津波で大変な被害があった鹿折(ししおり)地区から上った

 

陣山の頂上にある。

 

「追悼の場が再び津波に侵されることは避ける」と市長の方針があったそうだ。

 

 

高さ約10mの白いモニュメント「祈りの帆(セイル)」の中には

 

献花台があって

 

祈ることができ

 

海を眺めることもできる。

 

ご覧のように、入れるのは一人ずつ

 

 

 

気仙沼の海、港、市街地が一望でき

その日はかなり暑かったが

心地よい風が通っていた。

 

 

 

ベンチに座っている方がいた。

 

若い頃に大病を患い、奇跡的に助かったという。

 

脚に障害が残ったが漁船に乗組み、働いていたそうだ。

 

 

「お地蔵さんじゃないんだから、座んなさいよ」と言われ、わたしたちも腰を下ろした。

 

海がきれいだと言うと

 

「昔は魚市場から魚でもごみでもばんばん海さ投げて汚かった。

ハサップで今はすっかりきれいになった」と教えてくれた。

 

HACCPの話が出てくるとは思わなかった。

 

 

 

 

「下におえびす(恵比寿)さんの像があるでしょ、カツオなんだから、ここに持って来ればよかったのよ。

そうすればよそから来た人も、市場に行こうかと思うのに」

 

海の底で流された恵比寿像が見され、再建された話は聞いていた。

 

像は、流失前より一回り大きくなった。

 

そして、左脇に抱える魚は、以前のタイから、

気仙沼名物の力ツオとなったのだ!

 

彼はそのことを言っていた。

 

「なのに、お役人っつうのはまず金が無いばり(ばかり)言って、10年後、その先を考えない。

人が来て、食べたり買ったりすれば、金は戻ってくるのに。

目の前の金の有る無ししか、見えてないの」

 

彼は、この公園によく来るのだと言う。ベンチに腰かけながら、復興について考えを巡らしてきたのだろう。

 

復興祈念公園のすぐ下にあるからといって、たしかに恵比寿像や気仙沼のカツオをわざわざ見に行く観光客は少ないだろう。

 

近いからこそ残念に思っているのだ。

 

 

 

 

気仙沼市の伝承施設があちらこちらに離れているのも、独特だ。

 

リアスアーク美術館

 

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館

 

 

次は、友人を案内したいと思う。