khyrzukiのブログ

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整形外科医師です。ベンゾジアゼピンなどの問題、日本の医療などをざっくりと語ります。

最近、タイトルの意見を書いている人のブログを見ました。実は現断薬を経験している人のほうが精神科医よりよっぽど詳しくて頼りになるという意見でした。現状から見て、激しく同意です。

でもそれは自分自身が自ら経験したからこそ言えるかもしれません。恐らく、経験する以前の自分だったらにわかに信じがたいと思っていたでしょう。それは精神科医とて例外ではないと思います。

何故なのか考えました。


医者はエビデンスに基づいて治療します。そういうふうに徹底的に教えられます。何故なら、確立されていない治療をしてもし悪化した場合責任を取れないからです。だから民間療法には賛同しませんし逸脱した治療をする医者は少なくなります。でも、通り一遍の治療で良くならない場合は大きく4つに分かれます。


1.仕方ない、年のせいとかで説得して今までの治療を継続する。

2.手におえないとみなして他院に紹介する。

3.限られた認められた範疇で他の治療を探る。

4.確立されていないが、経験則や独自で得た情報を元に他の治療を試す。

一般的に1は間違ってはいませんがあまり良くないとされます。2も理解はできます。

いい医者は3でしょうか。現に自分が出会った医者は3が大多数でした。

問題は4です。この医者はリスクこそありますが、逆にいうと何とかしてやろうという熱意が感じられます。でもこれは本当に少数派でしょう。


ベンゾジアゼピン減断薬の治療は4の医者に託されます。なぜなら、ベンゾジアゼピン自体作用機序などエビデンスが確立されていないことが多いからです。どこにも確立されていない方法を手探りでやっていくことになります。となるとやはりかなり少数派になってしまうのは仕方ないかもしれません。


人間の体は不思議です。何をしても良くならなかった人がサプリメント一つで改善したりインフルエンザ予防接種してから神経痛が改善したり、えーこれで良くなったの?!なんて事がたまにあります。


だからこそ知識の貯蓄が教科書より役に立つことがあります。問題はそれを今後の自分なりの治療に生かそうとするかどうかです。

ただ、闇雲にワケの分からない治療することを推奨しているわけではありません。

でも、藁をもすがる思いでいる人が今もたくさん存在するのも事実です。


ベンゾジアゼピンの治療法はそのうち確立されてくると信じています。


とりとめのない文で申し訳ありませんが自分でもどうすべきか何をすべきか分からない状態です。


まず、目の前の患者を少しでも救うことが自分が今すべき事だと思ってます。