年下くんとはその後、しばらく時間を置いた後、二人で

話し合い、子供の件もわたしなりに納得をしてなんとか

今までどおりの関係に戻りました。

けれど、わたしはやっぱり、子供の件が一通り落ち着いた

からといってわたしの記憶から消すことはできなかったし、

もう二度と同じことを繰り返しちゃいけないとずっと心の中で

思っていました。


けれど年下くんは少し経つと、そんなことをすっかり忘れて

しまっていたようでした。

年下くんは少なからず自分にも責任があるという感覚がなかった

らしく、それ以降もエッチをするときに避妊もしてくれませんでした。

何度かそのことでわたしが怒り、どうしてゴム付けてくれないの?」

と聞くと「えっ?付けたほうがいいなら言ってくれればいいのに」

言われ、もうこの人に言っても無駄だ・・・と思いました。


年下くんは一体、なんでわたしと付き合ってるんだろう??


わたしのことを心から大事に想っていてくれるわけじゃなさそうだし、

わたしが体調が悪くてデートの約束を断ろうとしても、「ご飯くらい

いいじゃん」と言って聞きいれてはもらえないし、わたしが悩み事を

抱えていて、どうにも落ち込んでいても知らん顔だし、その上、

「そんな話ばっかされてもオレも困るからしばらく電話するのやめよう」

といわれるし、年下くんはわたしと付き合ってれば、とりあえずは

自分の彼女だからエッチもできる・・・くらいにしか想ってないんじゃ

ないかと思うようになっていきました。

年下くんはこの、子供が出来てしまった件については

何にもしてくれませんでした。

病院に付き添ってくれることもなかったし、また、年下くんの

ほうから「付き添うよ」って言う言葉も一度も出ませんでした。


もし、年下くんがこんな時、ものすごく真剣に考えてくれたら

もう少し二人の関係もうまくいったのかもしれません。

わたしからしてみても、こんな時くらいちゃんと考えて

もらいたかったし、何もしてくれなかった年下くんに恨みも

湧いたのも事実でした・・・。


二人の関係はこの子供の件が起きる前からぎくしゃくし始め

たけど、この件をきっかけに更に一層悪化したのも事実

でした。


年下くんにしてみれば、別に自分が病院に通ったわけじゃないし、

手術をしたわけでもないからきっと、実感と言うか、子供を

妊娠させた責任とかがあんまりなかったんじゃないかなって

思います。



わたしはお腹の子供をおろすことに決めました。

年下くんとちゃんと話し合ってそう決めたわけではなく、

年下くんははっきりと話し合う姿勢を示してくれませんでした。


手術をしたのは2006年になってすぐでした。


あの日のことをよく覚えてます。

朝から雨が降っていてわたしは一人で病院に行きました。

年下くんはわたしがあの日に子供をおろしたことを知らなかったと

思います。

カレはわたしが年下くんに何も相談しないでこの決断をしたのを

心配していました。

また、一人で病院に行くのを心配して、付き添うよ」とも言ってく

れたんだけど、子供をおろす姿なんて見られたくなくて断りました。


手術も終わり、麻酔がとれるまで病院で眠りました。

目が覚めたころには時間は夕方近くになっていて、また

わたしは歩いて帰りました。


帰り道、携帯の電源を入れて、メールをチェックすると、

カレから何通かメールが入っていましたが、年下くんからは

何にも来ていませんでした・・・。


わたしにとって、年下くんて何なんだろう・・・。

年下くんにとって、わたしは何なんだろう・・・。


わたしはこの件をさかいに年下くんに対しての見方と言うか、

付き合い方が少し、変わりました。


年下くんとはまたそれっきりしばらく連絡がとれなく

なりました。

わたしはあの頃、ホントに毎日がつらくて、毎週毎週、

産婦人科に一人で行かなきゃならないのがみじめな気分に

感じ、会社に行くのすらもイヤになってました。


わたしのそんなどうにも抜け出せないブルーな気持ちを

受け止めてくれたのはカレでした。

わたしはカレにはすべてを話し年下くんとの話し合った内容も

全部、カレには打ち明けてました。

カレはこんな状況の中、年下くんが50万のロレックスを買って

自慢していたという事実が許せないと怒りました。

わたしもカレと同様、年下くんのそんな行動が許せなかったけど、

それでも年下くんを信じたいという気持ちも心のどこかにあって

そんなわたしの気持ちをカレは気づき、


「りんは、年下くんがあんなことしても許せるの?オレは許せない!

だってそーだろ?りんはどうしたらいいのかこんなに悩んでるのに

年下くんは50万の時計買って自慢してうかれてたんだぞ。そんなの

許せないだろ!  それに嫌いじゃないから産んでもいいよなんて

そんな言い方するヤツをりんはどうして許せる気になれるんだよ・・・」


とカレは本気で怒ってました。

たぶん、カレも相当つらかったんだと思います。

カレはわたしが他の男の子を妊娠したこともショックだったはずだし、

それでもその男がわたしのことを大事にして子供のことも真剣に考えて

くれてたらカレだってちょっとくらい安心できたのかもしれません。

けど年下くんはあんな感じだし・・・。

いつもいつもわたしはカレに迷惑ばっかかけちゃってる気がしてます。

けれど、あの頃もいまも、わたしはカレがいないと何もできないくらい

わたしはなんでもカレに頼ってしまい、カレに答えを見つけてもらってる

状態です・・・。

何日待っても年下くんからの電話はきませんでした。

メールを送っても反応ナシ・・・電話も出てもらえないまま

でした。

年下くんはたぶん、現実逃避みたいな感じになっていたんじゃ

ないかなって思いました。お腹の子供のことを話したときに

ものすごく動揺していたし、年下くんは自分のキャパから

容量が越えてしまうと、現実逃避してしまうような気がしました。


けれど話をしないで、うやむやにして自然と片付くほどの簡単な

問題ではなかったので、なんとかして年下くんと話し合わなきゃ

いけないと思い、連絡をとろうと何度も試みました。


やっとのことで年下くんと連絡がとれ、電話ではあったけど

話すことができました。けれど、わたしのなかでは、年下くんが

こんな時に50万ものロレックスの時計を買って自慢していたことが

どうしても許せず、ずっと重い塊りとなって心のなかに残っていた

のです。

「どうして、何にも連絡くれなかったの?」


年下くん「オレだって色々考えて悩んでたんだよ!」


すでにもう言い合いの口調になっていました。


わたし「あなたとわたし、どっちがつらいと思ってんのよ!

    あなたは自分には変化はないかもしれないけど、わたしには

    お腹の中にちゃんと形として残ってるんだよ!どうして、

    そうやって他人事みたいにできるのよ!!」


年下くん「そうやって、自分ばっかが被害者ぶってればいいじゃん!

     りんはいつもそう、被害者ぶってそれに浸ってるんだろ!」


こんな風に話し合うつもりなんてなかったけど、つい口にでてしまう

言葉はこんな罵り合うような言葉ばっかでした・・・。

抱えてる問題が大きすぎた故に互いに冷静さを失っていたのかも

しれません・・・。

年下くんは「考える」とこないだの電話で言ってましたが、ホントの

ところはあんまり考えていなかったようでした・・・。

「子供、どうするの?それにわたしたちどうするの?」と聞くと、

「子供できたんだし、別に一緒にいて嫌なわけじゃないから

結婚する?」と年下くんは言いました。


わたしはこんな言葉を言われ、結婚なんてしたいなんてこれっぽっち

も思ってなかったし、どうみても「仕方ないから子供産んでいいよ」

としか聞こえず、どんどんブルーな気分に陥ってしまいました。


「子供が出来たってホントに??」


年下くんはわたしに子供が出来たことを疑ってるわけでは

ないけど、年下くんもやっぱり驚きが隠せない様子でした。


「うん。ホントだよ・・・。どうしたらいいかな??

わたし、こんなの親に相談できない。。だからわたしなりに

結論はだしてるんだけど・・・。」

「おろすってこと??」

「うん。。。そうするしかないよ・・・結婚してるわけじゃないし」

「そう・・・。ごめん、びっくりしちゃって何て言ったらいいか

言葉が見つからない・・・。ちょっとオレも考えるから・・・また

連絡するよ。  体調大丈夫なの???」

「とりあえずは平気だよ。。。じゃ、連絡待ってるよ・・・」


けれど年下くんからは何日待っても、連絡が来ませんでした。

こんな不安定な精神状態でわたしはなにもかもがイヤになり、

年下くんはこのまま何も連絡をくれず、わたしは放ったらかしに

されるんじゃないかと不安がどんどん募りました・・・。

わたしは産婦人科に行くときは会社を半休をとって通院していた

ため、会社の仲のよいナオキさんに「どうしたの??最近、調子

悪いの??」と言われたけどホントのことを話すわけにはいかない

のでいつも適当にごまかしてました。 ナオキさんは社内で唯一、

わたしが年下くんと付き合ってることを知ってる人で、わたしは

よくナオキさんに年下くんとのことを相談したりしてました。

だからわたしと年下くんがこのところうまくいってないことも

知っていました。


ナオキさん「どう?あいつ(年下くん)とは仲直りした??」


わたし「全然ダメですよ・・・。連絡とってません。」


ナオキさん「そうなんだ。あいつさ、ロレックス買ったんだって。

       50万もしたって自慢してたよ。いいよな~」


わたし「えっ??時計買ったんですか???」


年下くんが時計を買ったこと、わたしは何にも知りませんでした・・・。

しかも50万だなんて・・・。しかも、こんな状況でそんなの買って

自慢できるだなんて・・・。  なんだかこの妊娠した問題をすべて

わたしが背負わされたような・・・取り残されたような・・・そんな気持ち

になりました・・・。

わたしには何の連絡もくれないのに、その間、年下くんはそんな楽しい

ことをしてたなんて・・・情けなくて悲しくて・・・・あの頃は毎日、泣いて

いたように思います。

あの時点で年下くんとの付き合いは1年経った頃だったのでそれなりに

年下くんの性格を分かっていたはずだったし、信用もしていたんです。

それが一気に崩れて行ったような、彼氏の年下くん』『赤の他人』

ようにものすごくわたしと距離ができ、遠い存在のように感じました。


もちろん、カレは年下くんにちゃんと相談したほうがいいって

言いました。

けど、年下くんとはもうかなりお互い嫌気をさしてる状態だったので、

連絡も1週間以上、取り合ってなかったらこんなことで連絡する

のがとてもイヤでした。わたしは年下くんとケンカばかりが続き、

もう、前みたいに仲良くなれないような気もしていました。


けれどやっぱりこんな問題をわたし一人で片付けることは出来ない

と思ったし、カレにすべてを頼りきってしまうのは筋違いな気がして、

ずいぶん悩んだけど年下くんにちゃんと相談することにしました。


年下くんに電話をしましたが、年下くんは電話に出てくれません。

たぶんまた話をするとケンカになると思ったんだと思います。

何度も電話をかけてみたけど、やっぱり出てくれなかったし、

年下くんから電話もかかってきませんでした。

仕方がないから

「ちょっと相談したいことがあるから電話ちょうだい」とメールを

送りました。けど年下くんからは何の反応もなかったんです・・・。

何日経っても年下くんと電話でちゃんと話すことができず、メール

でこんなことを打ち明けるのはとってもイヤだったけど

「子供ができてしまった。どうしたらいいかわからない」と送ると

やっと年下くんから電話が来ました。

わたしが産婦人科に通院しだして何回通った頃だったかな・・・。

わたしの不正出血の原因が分かりました。


わたしは妊娠をしていたんです。まったく自分でも気づかない

うちに・・・。もともと生理があんまり規則正しく毎月来るほうではなく

量も毎月、バラバラだったし体の中のそうゆう仕組みがあんまり

ちゃんと整っていないために出血とかしていたそうです。


妊娠してることにわたしはショックを受けました。

とてもじゃないけど、このお腹の中の赤ちゃんを産む事なんて

できる自信なんかなかったし、年下くんとの関係も、ホンのささいな

ことでケンカになる日々が続き、もう最悪な状況だったので、こんな

ことを相談できる状態じゃありませんでした。

けど一人ではもう冷静な判断なんて出来なかったし、とにかく

ネガティブなわたしは考えれば考えるほどブルーにブルーに落ち込んで

しまい、カレにすべてを話し、相談に乗ってもらいました。

カレにしてみれば、年下くんの子供を妊娠しておいてなんで、オレに

相談するんだよ・・・って思ったかもしれません。けどカレはこのときも

わたしの話を真剣に聞いてくれて、カレなりにわたしの力になって

あげようとしてくれました。

以前にも書いたけど、年下くんとはそれなりにうまく

付き合っていたものの、年下くんはのんびりやで

天然、わたしは短気でせっかち、だからケンカする

こともしょっちゅうでした。

これでも互いに好きだったので、別れることを口には

しなかったけど、11月末から12月のあたまにかけ、

ホンのささいなことでケンカがはじまり、互いを罵り合ったり

して、もう最悪な状態でした。

電話する回数も減り、会っても電話で話してもケンカ・・・

こんな日々が続きました。


こんな時でした。


わたしは毎月の生理がキチンときていたものの、

生理と生理の間に、1日か2日間くらい生理みたいな

出血が始まりました。

はじめは気にしていなかったけど、まずカレに相談したら

速攻「産婦人科に行きなさい!」と言われ、わたしは

独身で産婦人科に行くのがものすごくイヤで、それを

察したカレは「気が重かったらオレも一緒に行くから」

言ってくれましたが、わたしは一人で産婦人科に行くから

といって、カレに付き添ってもらうのを断りました。


産婦人科に初めて行き、診察してもらった結果は、

不正出血でした。

これは、いろいろ原因はあるみたいで、赤ちゃんが

できてホンの数週間で形になる前にお腹の中で

死んでしまってそれが残ってることや、ただ単に、

生理不順だったりと原因はいろいろでした。


わたしは年下くんには産婦人科に行くことを話していなくて

年下くんに話をしたのは産婦人科に通いだして3回目くらい

してからだとおもいます。


カレとの関係をいまさら終えるつもりなんてわたしには

ありませんでした。

カレには奥さんがいてわたしにはちゃんとした彼氏が

いるくせに図々しいと思われても仕方がないけど、けど

カレを失うことを想像するだけでも悲しく、つらい気持ちに

なってしまってました。


年下くんとはそれなりに変わったこともなく普通にふつうに

付き合ってました。

年下くんはいろんな意味でものんきで天然な人なので、

短気でせっかちなわたしとはケンカも多くて、うまくは

いってるものの、何かが足りないって感じでした。

別に一緒にいてつまらないとかそんなことは全然、なかった

んだけどやっぱりカレと比べてしまうと、わたしにはカレの

ほうが居心地がよく一緒にいて、また会いたいといつも

思うのはカレだけでした。


わたしとカレの間は、いたってうまく行ってて、二人で飲みに

行ったりする以外でも、カレのトレーラに横乗りをして、

カレの仕事にくっついて行ったりしてて、仲良くやっていました。