しばらく釣りに行っていない
実は2月の初旬に足の甲を骨折してしまい、行きたくても行けないのだ。(ギブス)
たぶん、4月中は無理かな?
過去の釣行を探していたら、釣りに行けなかった時の散文があったので悔しまぎれに
アップしてみた。
2013年7月6日(土)
場所/三浦半島 油壺湾内 (たぶん)
梅雨が明けたその日、見渡す限りの湾の中に白い帆をはためかせた帆船(ヨット)と
岸壁との僅かな空間から竿をだして熱心に竿を打ち返す私に、ひそやかな風はかすか
に流れるばかりであった、気温は優に30度を超えたであろう、暑い。
そうして日がな一日おまえ(黒鯛)との偶然なる出会いを辛抱強く待ち続ける私の視
線のはるか彼方なる水平線に湧く縁だけ茜色を帯びた入道雲は、ようやく暮れかかろ
うとする夏の太陽に呼応して次第にその色を無くしていくのだった。
代わりにその下に湛えられた豊穣の海からは何者かの濃密な気配が生まれ始めようと
している。そうしてその気配は次第に私の周辺に近づき始めるようでもあった。
足元の前下がりに広がっている敷石と敷石とのわずかな隙間をようやくのことですり
抜けた海水はやがて小さな波紋となってほとんどあるかなしかの波を敷石の先に作っ
ている。
そんな光景を何か切ないような気持ちで見つめていたそのとき、ふいにどこからとも
無く大きな波が立った。
それと同時に目の前の帆船(ヨット)の群れはその姿勢を各々の体内周期に合わせる
かのようにそれぞれ別々の動きで揺れはじめ不規則な波を起こすのだった。
やがてそれは私の竿の先にわずかな浮力をたよりに漂っていたおまえとの唯一の通信
手段をも揺さぶることとなる。
「波たちぬ、いざ釣りめやも」
ふと口を衝いて出てきたそんな詩句を、私は右手に保持されている私自身(がま磯ア
テンダーⅡ・0.6号)を強く握りかえしながら口の裡(うち)で繰り返していた。
やがて、竿先を綺麗に引き込んでおまえはやって来た。
すぐにでも私の胸(玉網)に飛び込みたいであろう気持ちとは裏腹に、
恋人達が始めそうするようにおまえは形ばかりのいやいやをしながら、
最後には「仕方ないわね」といった風情で私の手の内に納まったのである。
あくまで「オマージュ」でありますゾ。
堀辰雄の「風たちぬ」を読み返していたらこんな妄想をしてしまったのである。
実際は熱中症を恐れて黒鯛釣りには行けず、素麵でビール。
食後にはスイカも食べました・・・ごめんよ~(シュタルク調で)





