報道をどこまで信じられるか?メディアの責任は? | 朝鮮問題深掘りすると?

朝鮮問題深掘りすると?

初老の徳さんが考える朝鮮半島関係報道の歪み、評論家、報道人の勉強不足を叱咤し、ステレオタイプを斬る。

何について書こうかと迷っていたときに、なぜかロバート・フリーマンというアメリカのコラムニストの言葉が,急に浮かんできました。いつだったか、なにで読んだのかはっきりとした記憶がありません。10年間のアメリカを示すトップテン・ストーリーだと言うことしか覚えていません。なので出典もはっきりと分かりません。引用するのははばかると思いながら、申し訳ない気持ちを感じながら,記憶をたどって書くことにします。軽く読み流して下さい。

記憶によると,そのトップ・テンは以下のようだったと思います。


1. 大法院がハイジャッキングした2000年の大統領選挙
2. ブッシュは9.11事件を実際に起きる相当前に分かっていた。
3. イラク戦争は嘘に始まり、いまだにアメリカはイラクに残っている。
4. テロとの戦争もまた、武器製造会社の収益の創出のためではなかったのか?
5. 上位1%がすべての経済成長果実の3分の2を占めると言う事実。
6. アメリカ経済の新封建主義化
7. 市民的自由の放棄
8. 繁栄を存続させる事のできる自由市場の失敗
9. 言論媒体の崩壊
10.選挙の無用之物化


こう書いて並べると、なんともうまくまとめたものだと言いたくなります。これを書きながら、コラムが書かれてから後、いまだにアメリカの姿がまったく変わっていないと思ったりしています。いや、かえって悪化していると言えるでしょう。またアメリカだけでなく日本や韓国も似たような症状を見せていると言わざるを得ません。


とくに福島原発をめぐる日本政府の対応を見ていると、嘘や歪曲を恥とは思わない体質がいまや直しようがないほど悪化していると言うほかないです。学者やマスコミの御用体質もまたそうです。だがそれゆえにいっそう事は深刻です。


5年前の2006年6月5日付けグローバル・リサーチのMuckracker Reportは、なぜビン・ラディンの重要指名手配ポスターには、オサマが9.11に関しても指名手配されているとは書いていないのか調べようとFBI本部(202) 324-3000に連絡をとったところ、FBIの捜査広報課長レックス・トム氏は「オサマ・ビン・ラディンの重要指名手配ウエブ・ページに9.11についての言及がない理由は、FBIはビン・ラディンを9.11に結びつける確たる証拠を持っていないからです。」と発言したといます。


レックス・トム氏は「どうしてそんなことがあり得るのですか?」との質問に「ビン・ラディンは9.11に関連して公式に告発されているわけではありません。」と答え、「FBIは証拠を集めます。証拠を集めたら、それを司法省に渡します。司法省は、そこで、それが連邦の大陪審に対して提示するのに十分な証拠かどうか判断します。1998年のアメリカ大使館爆破事件では、ビン・ラディンは公式に大陪審によって起訴され、告発されています。FBIはビン・ラディンを9.11に結びつける確かな証拠を持っていないので、彼は9.11事件については、公式に起訴され、告発されているわけではありません。」


ではビン・ラディンやタリバンを「根絶するため」に、アフガニスタンに侵略するのだと主張してきたアメリカは、先に紹介したフリーマンの指摘よりもっと悪質な嘘をついてきたと言うことです。


ブッシュ政権は、アメリカ国民に向かって、オサマ・ビン・ラディンは公共の敵第一号であり、2001年9月11日のおよそ3000人の人々の死の張本人だと言ってきました。そして「生け捕りかどうかなど問題外だ。」とも行ってきました。その点ではいまのオバマ大統領も同じです。


Muckracker Reportは「なぜアメリカのメディアは、激怒や偏見や偏向を持たずに、2001年9月11日の出来事を調べようとはせず、政府が提供する9.11のシナリオをそのままオウム返しにするのだろう?なぜアメリカのメディアは、9.11について政府の説明とは矛盾するような意見を言いそうな人々を探すのではなしに、政府が9.11の隠蔽工作を後押ししていると言いそうな人々を要注意人物にして出演させないのだろう? また9.11について違う意見をもった人々が、まれに航空会社に対して迫るような場面があると、なぜ大手メディアは政府の9.11に対する説明に対して当然の疑問を明らかに引き起こすような証拠には耳を傾けようとはせず、そういうゲストを狂った陰謀説論者だとあざけるのだろう。コンピューターのマウスを何回かクリックするだけで、それと矛盾する確認可能な情報が多数見つかるのに、大手メディア・コングロマリットはなぜ盲目的に政府の9.11説明に満足しているのだろう?


誰がメディア論調を制御しているのだろうか。アメリカのメディアが2001年9月11日の事件でオサマ・ビン・ラディンを告発しているのに、一体どうしてアメリカ政府はそうしないのだろう? FBIがオサマ・ビン・ラディンを2001年9月11日の出来事と結びつけるための『確かな証拠』を持っていないのに、どうしてアメリカのメディアはまるで、ビン・ラディンがツイン・タワーの崩壊や、ペンタゴン攻撃や、ユナイテッド航空の93便の消滅の張本人であるという決定的証拠を持っているかのように、五年間もビン・ラディンと9.11を結びつけた話を流しつづけているのだろう?」と書いています。


この指摘は当然、日本のメディアにも突きつけられなければならないものではないでしょうか?日本のメディアは軒並みにアメリカのメディアが流す記事をそのまま受け入れていたのですから。それでも日本のマス・メディアに比べまだ良いようです。まがりなりにもイラク侵略の検証を試みたのですから。それに対し、残念ながら日本のメディアはその動きさえも見せていません。マスコミの責任を完全に放棄していると言うほかありません。こうした無責任極まる報道姿勢が色眼鏡を掛けて北朝鮮を見る日本人の癖をいっそう頑固なものにしているのではないでしょうか。