ピザやリゾットなど、イタリア料理に欠かせない食材と言えばチーズですが、そんなイタリアン・チーズの中でも人気の高い製品の1つがフォンティーナです。
このチーズの名はイタリアの北西部、スイスやフランスとの国境に近いヴァッレ・ダオスタ州にある山岳地であるフォンティーナ地方に由来します。歴史は古く、13世紀ごろにはすでに作られていたと言われています。夏の間に放牧した牛から絞った生乳を使い、秋から冬にかけて作られます。長く厳しい冬を過ごすための保存食として生まれたこのチーズは、「山のチーズ」と呼ぶにふさわしい野趣あふれる風味が特徴となっています。

 

 

 

チーズ・フォンデュにぴったり

 

 

フォンティーナは、チーズの種類としてはセミハードタイプに属します。円盤型に近い円筒状に成形され、直径は40センチメートル前後、重さは10キログラム前後とかなりの大型です。表面は茶褐色で、日本ではブロック状に切り出された形で売られているのをよく見かけます。
味はナッツのような香ばしさとほのかな甘みが特徴で、クセがそれほど強くないので子供からお年寄りまで幅広い層に好まれます。そのままでも食べられますが、本国ではイタリア版チーズ・フォンデュである「フォンドゥータ」に欠かせない食材となっています。