小豆の美味しさがぎゅっと詰まった羊羹は老若男女問わず人気がある和菓子の代表格と言えるでしょう。いくつか種類がある中でも多くの方が思い浮かべるであろう適度な重みと固さがあるものは「煉羊羹」と呼ばれるもので、寒天を多く使用することでしっかりと固められている点が特徴です。甘いお菓子として楽しまれているほか、カロリーが高くすぐにエネルギーとなることから近年ではスポーツ時の栄養補給食としても注目を浴びています。また、長期保存が可能なことから非常食用に販売されているものもあるなど、ある意味で’万能食’とも言えます。
「羊」という漢字が使われている理由
さて、小豆を使用した和菓子である羊羹になぜ動物の「羊」という漢字が使われているのか疑問に思ったことはないでしょうか。実はその理由は、ルーツと関係があります。羊羹はもともとは中国の料理であり、羊のお肉を煮込んだスープだったのです。羊のお肉のスープだったことから「羊」という漢字が使われているという訳です。ちなみに日本に紹介されたのは鎌倉時代から室町時代にかけてのことで、中国の僧侶から伝えられました。しかし、当時の日本の禅宗ではお肉を食べることが禁止されていたので、羊のお肉の代わりに小豆が使用されることになりました。そして、砂糖を用いるなど独自の発展を遂げ、江戸時代に広く普及することとなります。