季節を問わずほっとした雰囲気にさせてくれる豚汁は日本の定番料理だと思います。冬の炊き出しや参拝客にふるまわれるものは体を温めてくれます。豚肉が日本で使われるようになったのは明治時代以降だと言われます。とんかつ専門店の話では、中身が豚肉と長ネギのみで食肉加工の際にでるバラ肉を利用してつくられたといいます。寒い時期や地域で食べられることが多く中身に入れられる具材も様々です。典型的な郷土料理といってもいいでしょう。具としては、大根やジャガイモなど根菜類を中心にして家庭では具だくさんなものが好まれます。

 

 

 

豚汁とけんちん汁の違いとは

 

 

豚汁は、けんちん汁の中身が豚肉に代わり明治以降に食されるようになったと言われています。中身の具材はどちらも同じようですが山形県のいも煮に豚肉を加えたなど諸説があります。仏門では、獣の肉を食べることを禁じていましたから神奈川県のお寺で参拝客にふるまわれていた「けんちん汁」が起源だという説もあります。どちらも多種な野菜を材料に使った味噌汁ですが大きく違うのはそのつくり方です。けんちん汁は、豚汁と異なり、最初にごぼうや大根などをごま油で炒めます。精進料理なので豚肉やかつおダシは用いません。味噌で味付けするのが特徴ともいえるのです。