季節の移ろいは日ごと日ごと、
少しずつ変わっていく。
カレンダーのように 「 本日をもって春の終わり 」
「 あすから夏の始まり 」 とはいかず、
境界線は引きにくい。
その象徴ともいえる花がある。
ともに薄紫色で気品があって美しい。
そう、古く万葉の昔から親しまれ現代人にもおなじみ、
今が盛りのフジとキリの花である。
その花景色は甲乙つけがたい。
ところがどういう訳か、歳時記でフジの花は晩春、
キリの花は初夏の季語だという。
清少納言も 「 枕草子 」 で風情を称賛した花である。
暦の上ではもう夏。
確かに汗が噴き出し木陰が恋しいときもある。
季節を見極めるより爛漫たる花を満喫した方が風流である。