第八十章
めぐり来るは、春

清時有味是漁舟
水宿生涯伴白鴎
蒲葉芦花半雫落
一竿帯雨暮江秋
太平の世に面白味のあるものは漁舟である。
水辺で生涯を過ごし、白いカモメを伴侶とする。
がまの葉や芦の花が、もう半分枯れている。
夕暮れの川、しぐれ降る中で、一本の竿で釣りをしている。
釣り人を詠んだ漢詩である。
水宿生涯伴白鴎
蒲葉芦花半雫落
一竿帯雨暮江秋
太平の世に面白味のあるものは漁舟である。
水辺で生涯を過ごし、白いカモメを伴侶とする。
がまの葉や芦の花が、もう半分枯れている。
夕暮れの川、しぐれ降る中で、一本の竿で釣りをしている。
釣り人を詠んだ漢詩である。
釣り師は、遠い昔から自分の釣りのことだけを考えていれば良かった。
自分自身の求める世界にどっぷりとひたって、喜びを感じていれば良かった。
アユ釣り師も、磯釣り師も、渓流釣り師も、ヘラブナ釣り師も、船釣り愛好家も、自分をとりまく釣りと、その周辺のことだけに気を配っていれば、釣りの楽しみの中に身をおくことの幸せを感じ、味わうことができた。
ときに荒れ狂う自然の猛威にさらされたとしても、宮沢賢治のように首をすくめて、オロオロしてさえいれば、それで良かった。
山も、森も、田畑も、海も、河も、そして釣りも、人間の暮らしは、やがて元の姿にもどったし、時間をかけさえすれば、何もかもとりもどすことが可能であった。
自分自身の求める世界にどっぷりとひたって、喜びを感じていれば良かった。
アユ釣り師も、磯釣り師も、渓流釣り師も、ヘラブナ釣り師も、船釣り愛好家も、自分をとりまく釣りと、その周辺のことだけに気を配っていれば、釣りの楽しみの中に身をおくことの幸せを感じ、味わうことができた。
ときに荒れ狂う自然の猛威にさらされたとしても、宮沢賢治のように首をすくめて、オロオロしてさえいれば、それで良かった。
山も、森も、田畑も、海も、河も、そして釣りも、人間の暮らしは、やがて元の姿にもどったし、時間をかけさえすれば、何もかもとりもどすことが可能であった。
ところがである。
このごろの自然現象ときたら、とりかえしのつかないほどたけり狂って、ぼくたち人間の前に立ちはだかってくれるのだ。
山川草木をめでながら、ゆったりとした心持ちで釣りを楽しむことさえ危ういのではないか、とさえ感じてしまうのだ。
このごろの自然現象ときたら、とりかえしのつかないほどたけり狂って、ぼくたち人間の前に立ちはだかってくれるのだ。
山川草木をめでながら、ゆったりとした心持ちで釣りを楽しむことさえ危ういのではないか、とさえ感じてしまうのだ。
なぜ、そうなってしまったのか。
ぼくたち人間は、直感でいまを理解しているのです。
地球上の生き物たちは、長い年月を経て、自然や環境の変化に適応しながら進化し続けてきた。
だからこそ、今日まで生存してこられたのである。
その中で人間だけが、地球上の環境を操作してしまった。
自然とは、絶妙のバランスシートの上になりたっているということに、とうに気づいているはずなのに、地球が、自然が、人間社会に警鐘を鳴らしているにちがいないにも関わらず、今日までそのことの重大さを無視してしまった。
ぼくたち人間は、直感でいまを理解しているのです。
地球上の生き物たちは、長い年月を経て、自然や環境の変化に適応しながら進化し続けてきた。
だからこそ、今日まで生存してこられたのである。
その中で人間だけが、地球上の環境を操作してしまった。
自然とは、絶妙のバランスシートの上になりたっているということに、とうに気づいているはずなのに、地球が、自然が、人間社会に警鐘を鳴らしているにちがいないにも関わらず、今日までそのことの重大さを無視してしまった。
2014.1. ナチュラリスト トラウト卿より




















