マッサの代役はシューマッハ

ハンガリーGPの予選でクラッシュ、現在入院中のマッサ（フェラーリ）。次戦ヨーロッパGPへの出場は無理だろうと見られていましたが、その代役ミハイル・シューマッハがほぼ決まりのようです。

マッサとシューマッハはシューマッハのF1ラストイヤーの1年間チームメイトでしたが、弟分のような、わりといい感じのチームメイトでした。その後シューマッハがフェラーリのアドバイザーになってからも、助言を送るなど関係やいいほう。なので人間関係だけを考えると、代役としては悪い人選ではないのでしょう。というか現役バリバリのドライバーがいくらでもいるのに、あえて引退したドライバーに頼むあたりは、フェラーリのマッサに対する愛情を感じられます。マッサが復帰できるくらいに回復した場合、即シートを明け渡してくれるドライバーとして選んだんんだろうなぁ～と想像されます。

問題は引退後何年もレースをしていないシューマッハに代役が務まるのか・・・。しかも今シーズンはテスト規制が設けれれていますから、十分に慣熟走行をしてからということもできません。筋肉も、体力も、そして目も、もう昔のようにはいかないでしょう。そうしたリスクを承知で、あえて代役を引き受けるのなら、シューマッハという男もたいした男です。

BMW 2009年限りで撤退

BMWザウバーがF1撤退を発表しました。個人的にはメーカー系ながら派手さを求めず、質実剛健の見本のようなチーム運営と、（今年は失敗しましたが）毎年一歩一歩着実に進歩する技術力が好きなチームでした。あとザウバーを買収後も「ザウバー」の名前をチーム名の一部に残すことなども、前任者へのリスペクトが感じられるチームでした。マシンは空力付加物がゴテゴテついた、あまり恰好のいいものではなかったですが。

ホンダ撤退後にいろいろうわさはありましたが、本場ヨーロッパの自動車メーカーの意地で参戦継続してくれると思っていただけに、残念です。

さてこれからの問題は現チームがどうなるのか？　おそらくは、

・ジャガー⇒レッドブル

・ホンダ⇒ブラウンGP

となったように、どこかが運営を引き継ぐことと思います。この場合難しいのが、チームの本拠地がスイスだということでしょうか。モータースポーツが産業となっているイギリスと違い、人材を集めることなどで不利といわれてわれてきました。そんな不利なチームを引き継ぐことができる存在となると、なかなか難しいことになりそうです。

いっそ、ペーター・ザウバーに再登板いただく・・・などという、90年代F1ファンの夢をついつい見てみたくなります。

それにしてもF1に興味のある金持ちにとっては、かなり買い手市場になってきた感があります。今十分な資金があれば買収や資本参加が可能であろうF1チームは・・・

・ブラウンGP

・BMWザウバー

・トロ・ロッソ

フォース・インディアもインドのお金持ちオーナーが最近本業で苦戦中との話が。ウィリアムズは士気が高いしオーナーもまだまだレース好きですが、いかんせんスポンサー不足。ルノーも今日明日中に「撤退」発表を行っても不思議でない状況、あるいはトヨタまでも・・・。マノー、USF1、カンポスといった2010年に新規参戦予定の3チームも資本パートナー募集中といったところでしょう。

お金の余裕がある日本のメーカーさん、今回のBMWはおすすめ物件ですよ（笑）。買収したら、是非、佐藤琢磨にシートのひとつを！

FIAとFOTAのバトルにも少なからず影響を与えそうな今回の撤退発表。

2010年　開幕戦のスターティンググリッドに並ぶマシンのカラーは、今年とはかなり様変わりしているような、そんな気がします。

ハンバリーＧＰ決勝

意外にレッドブルとブラウンＧＰが冴えなかったな、というのが印象。

今シーズン絶婦長の時期もあったマクラーレンがここまで復調してきたのには、素直におどろきました。さすがは腐ってもマクラーレン。今シーズンをあきらめるのかと思いきや、しっかりと開発を進めてきていたのはさすがはプライドの高いマクラーレンです。

一方でフェラーリも復調がしっかりとした姿になってきました。「・・・マッサが出場できていれば・・・」。２－３もありえたのかなと思える走りでした。調子が良くなってきただけに、マッサの早期復帰を願います。

決勝の結果で驚きだったのが、トヨタ勢。予選の結果を見て「今回は終わり」と思ってましたが、決勝の戦略でしぶとく６位、８位のポイントゲット。これほどうまく捌けるチームになっていたとは。

ブラウンＧＰにとっては苦しい夏になりました。レッドブルだけならともかく、マクラーレン、フェラーリが復調してきてポイントを奪われている状態は厳しい。見てる方には面白い、混戦のシーズン終盤になりそうな予感です。

それにしても、序盤であれほど無敵状態だったブラウンＧＰがこれほど苦戦するようになるとは。やはりＦ１トップチームの開発力はすごい。