きれいな絵本

最近、こうの史代さんの漫画がとても気に入っています。

初めて「夕凪の街」を見て、絵の線の美しさに驚きました。

原爆の後遺症で亡くなる少女の話ですが、彼女も被爆者の

１人として、幸せになってはいけないのかと思い悩みながら

死んでいく姿がとても憐れです。

戦争は兵隊同士の戦いではなく、一般人を巻き込むとこんな

悲劇がたくさんあったのでしょう。

驚きの治療、歯を抜くのは釘を抜くのと同じか？

先日、行きつけのレストランで、何とも恐ろしい話
を聞きました。
そこのシェフが親知らずが痛くて近所の歯科医院に
治療を受けに行ったところ、もうダメなので抜きましょうと
言われて、１本抜いてもらったところ、ついでに他の
親知らずも抜いた方が良いといわれて、なんとその日に
残りの３本の親知らずを全部抜かれてしまったそうです。
患者さんが心配して大丈夫ですかと聞いたところ、
私は外科手術が得意で他の先生も見学に来る位だと
自慢していたそうです。
（私も親知らずを抜く事がありますが、下の親知らずは
喉に近く、下顎の骨の中に埋まっている場合は腫れる
ことがあります。ですから１本でも慎重に抜きます。）
案の定、痛みと出血がなかなか止まらず、顔が風船
のようにはれてしまい、お母さんがびっくりして
かなり心配を掛けてしまったそうです。担当した
歯科医に電話しても、痛みと出血と腫れは大丈夫だと
言われたそうですが、仕事にならない位の腫れで
マスクをしないといられなかったと言っていました。

１度に４本の親知らず抜いたアメリカの歯科医の話を
聞いたことがあります。でもその時には患者さんは
全身麻酔で、１週間入院し、かなり高額な治療費を
支払ったそうです。

なぜこんな乱暴な治療を行ったのでしょうか？
自分の家族にもこんな治療をするでしょうか。
恐らく、自分の最愛の家族には出来ないでしょう。

思うに、患者さんが少なく、治療時間があまっていたので
点数稼ぎに４本もの親知らずを抜いたのでしょう。
患者さんの歯を釘位にしかかんがえていないのでしょうか？
久しぶりに健康保険制度の悲しい現実を見た気がします。

お母さんは偉大？

ルネクレマン監督の「禁じられた遊び」は
愛のロマンスというギターの主題曲が有名な映画
です。今でも感動的な画面を思い出します。

ドイツ軍の進行に追われて逃げる一家達に空から
メッサーシュミット戦闘機が機銃掃射しました。
主人公の女の子ミシェールが子犬を手放して
しまい、子犬は撃たれてしまいます。
ミシェールもピクピクして苦しがってる
死にそうな子犬を追いかけて機銃掃射されてしまいます。
その時にお母さんが追っかけてミシェールの上に
覆い被さり、お母さんが機銃掃射の犠牲になって
しまうのです。
戦争中にはこんな話はたくさんあったのでしょうか。

又最後のシーンではミシェール死んだお母さんに
よく似た女性を追いかけて駅の雑踏の中にさまよって
行ってしまう画面はどんな反戦映画よりも辛い画面でした。

私の患者さんで、８０過ぎに亡くなったおばあさんが
いました。その方は子どもの時に下顎に大きな傷を
作ってしまい手術で顔がかなり変形していました。
でもお母さんが一生懸命看護してくれたので
死なないで済んだとお話されていました。
そんなおばあさんがいよいよ亡くなる時に
「おかあさーん」と叫んだそうです。
きっといまわの際に夢の中でお母さんに会えたの
でしょう。と娘さんは話していました。
お母さんは顔に大きな傷を負ってしまった娘を
申し訳ないと思い本当に可愛がっていたのでしょう。
人はいくつになってもそんな優しい生みの親、お母さんが　
忘れられないのです。
その点父親は生みの親とはなかなか実感出来ないですね？

最近、悲しいニュースで幼い子の虐待死が報じられました。
３才の子が２０歳の１９０㎝もある内縁の男に虐待され、
死亡した事件です。お母さんは何故子供を命がけで　
守ってあげなかったのでしょうか。

猫が火事の燃えさかる炎の中に何回も入っていって
５匹の子猫を助け出した映像も見ました。
親猫は毛が焼けて良く助かったなと思うほど
焼け焦げていました。

動物が本来持っている母性本能が人間には
亡くなりつつあるのでしょうか？

家で飼っていたミックス犬のマリアは名前の
とおり、とても優しい犬でした。
あるとき、妻が線路脇に捨てられていた子猫
を拾ってきました。
すると、マリアは母猫がするように子猫の
首筋を加えて自分の巣にしっかりと抱えて
ウンチやおしっこもなめていました。
マリアは生後すぐ捨て犬だったのでろくに母犬が
面倒を見てくれていないはずなのにすごい　
なと思いました。
もう１匹の犬が近寄るとウーとうなって
威嚇していました。
マリアは去勢してあったのに、母性本のは
しっかり持っていていじらしく思いました。