私は、戸籍上女で、異性愛者。

だけど女のカテゴリーに入れられると生理的嫌悪感が出るのはなぜだろう?

例えば、母が30歳になる前に、

「あ〜あ、いやだわ、30歳だなんて。中年じゃない。綺麗なうちにヌード写真撮ってもらいたいわ」と、当時のサントリーのヌードカレンダーよろしく風呂上がりにポーズをとったりするのを見て気持ち悪いと思った。4歳の頃。

 

「あんたたちを生んだからこんなになったのよ」と二段腹を指してよく嘆いていた。

 

そんな醜悪な肉体を持つ、女の仲間に入れられることが気持ちわるくてたまらなかった。

 

子どもの頃、

リボンの騎士に憧れた。

小学生の時、

ベルばらのオスカルにも憧れた。

 

颯爽としてて強くてカッコいい(一応女)、みたいなのが良かった。

 

実際に私は活発で男子とやり合っていたけど、その実は、女の子的な

男子を翻弄するテクも自然と身につけていた。

見た目は割とかわいかったし勉強もできたので活発で元気で賢い子、と言うポジションでまあまあ楽しくやれていた。

でも実際は「私が私が」と言う自我が強くて、それがバレたらみんなから嫌われると知っていたのでいつも気をつけて学校生活を送っていたから疲れてた。

 

教室の後ろで天真爛漫にフィンガー5を歌ってる女の子たちと私は違う、と

思っていた。

 

 

11歳で初潮が来た。

 

なぜかすごく屈辱だった。

血が出る不快感と腹痛で颯爽と軽やかにカッコいい行動ができない。

 

女って、こんなオシメを毎回使わなきゃならないの!?絶望を感じた。

 

母が「あんたも大人の仲間入りね。お赤飯炊こうか」と言ったけど断固拒否した。

女に変化したことを父に知られたくなかった。


 

中学に入ると制服で男女が明らかに区別された。

セーラー服に黒いストッキング。黒いストッキングはたまらなく性的な、嫌らしい感じがした。そんなものに身を包むなんて!

 

そして以前フラットに付き合えていた男子たちも

身長が伸び、声が変わり、第二次性徴が始まった。

 

私はそれにもなりたくなかった。

 

女 でも男も第二次性徴が受け入れがたい気持ちだった。

 

一緒に遊んだMちゃんもYちゃんも自然に女になっていった。

どうして私は、女にも男にもなれないのだろう。

ここでも孤独だった。