この連載は、恋愛依存や自己否定を繰り返してきた私の、“回復”の物語です。
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《前回までのあらすじ》
両親の離婚で見知らぬ土地へ転校した私は、新しい環境に馴染めず、次第に孤独を深めていった。
仲良くしてくれる友人もいたけれど、女子グループからの陰口や無視で居場所はどこにもなかった。
「私が悪いのかもしれない」と自分を責める癖がつき、心はどんどん閉じていく。
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私が初めて付き合った人とは、いわゆる“恋愛依存”とは無縁の関係でした。
高校1年のときに出会い、付き合い始め、なんだかんだで6年。
途中からは同棲もして、「このまま結婚するのかな」と思っていた時期もありました。
彼には、家庭の事情がありました。
両親ではなく、祖父母に育てられていたんです。
今振り返ると、きっと彼は人との距離感や、愛情の伝え方が少し不器用だったのかもしれません。
でも当時の私は、そんなことに気づけず、
「もっとちゃんと向き合ってくれたらいいのに」
どこかで寂しさを感じていました。
年月を重ねるごとに、すれ違いも増えていきました。
気づけば、目を合わせて笑うことも、減っていたんです。
向き合えなかったふたりの終わり
別れを切り出したのは、私の方でした。
でも、いざその瞬間が訪れたとき、想像していたよりもずっと怖かった。
長く一緒にいた分、情もありました。
でもそれ以上に、「自分の選択が相手を傷つける」という罪悪感が、心を重くしたのを覚えています。
執着という名の“愛”に縛られて
別れたあと、彼の態度は一変しました。
それまで以上に頻繁に連絡が来るようになり、
ときには、家の前で待ち伏せされることもありました。
彼の中では、「別れたくない」という気持ちが“執着”に変わっていったのだと思います。
でも、当時の私はまだ、
「誰かに必要とされること」=「愛されていること」だと信じていた。
不安や恐怖を感じながらも、
“追いかけられる私”をどこかで肯定していた自分もいたのかもしれません。
恋愛依存への第一歩
あのとき、私は気づいていませんでした。
「必要とされること」に価値を見出してしまう、その思考自体が、恋愛依存の入り口だったということに。
けれど、本当の意味での“依存”は、
次に出会った人との関係から始まります。
その人は、既婚者でした。
最初は「まさか自分が」と思っていました。
でも気づけば、会えない日が苦しくてたまらなくなっていた。
好きになればなるほど、不安になって、
相手の都合に合わせすぎて、
自分自身がどんどん壊れていくのがわかりました。
それが、“恋愛依存”の始まりだったんです。
つづく── 第6話:「“飼われる”という選択肢」
愛されたい一心で、私は“ペット”になる道を選んだ。




