こんにちは。
2Fデジタル担当 児玉です。
待望のAIRA 4機種目 SYSTEM-1が発売されました。
AIRAシリーズ初の鍵盤モデル。
今までのAIRAシリーズと同様、黒い筐体にグリーンのラインとLEDがとてもクール。
薄型25鍵盤搭載のスリムなボディに、LFO、2OSC、MIXER、PITCHエンベロープ、FILTER、AMPエンベロープ、EFECTSといったシンセサイザーの基本ともいえる構成となっており、アナログ系シンセサイザーを触ったことある方ならパネルを見ただけで操作できてしまう程、分かりやすい仕上がりです。
またこれからシンセサイザーを始める方にも、SYSTEM-1で基礎を覚えれば、他のシンセサイザーも難なく操作できると思います。
出音は上から下まで非常にヌケが良く、派手な印象で、EDMなどのエレクトロ系に合いそうなサウンドです。
オシレーターのオクターブを下げ、ピッチLFOを強めにかけると、滑らかな音程変化と共に、デジタルとは思えないほどの粘り強い低音が鳴り響きます。
鍵盤は薄型の25鍵盤を採用しており、非常に薄くレスポンスの良い鍵盤タッチで、昔あったEDIROL PCR-M1のような(同じ?)鍵盤です。
ベロシティ非搭載の鍵盤ですが、ベロシティ対応の外部鍵盤をMIDI接続すれば、反映されるのでご安心を。
2系統のオシレーターは、それぞれ6つの波形を搭載し、基本のノコギリ波、矩形波、三角波に加え、JP-8000より搭載されたRolandおなじみの『SuperSaw』、今回SYSTEM-1より初搭載の『SuperSquare』、『SuperTriangle』で構成されています。
『super~』系の波形は複数の波形が重なっており、『COLOR』つまみを回すと重なった波形がデチューンした音へと変化します。
パッド系の音で広がりや厚みを持たせたい時に、非常に有効です。
各波形の『COLOR』のつまみのパラメーターは以下のようになっています。
各波形のCOLORパラメーター
●ノコギリ波…2つのノコギリ波間の位相
●矩形波…パルス幅
●三角波…上下で非対称な波形に変化
●SuperSaw…重なったノコギリ波のピッチのずれ
●SuperSquare…重なった矩形波のピッチのずれ
●SuperTriangle…重なった三角波のピッチのずれ
またこれらのパラメーターはLFOやエンベロープでモジュレーションをかける事もできます。
OSC1には『CROSS MOD』を搭載し、OSS2の波形でOSC1の波形に変調をかけて、金属的な音を作成する事が可能です。
ピッチが過激に変化するので、パフォーマンス中での音色変化でインパクトを与えるのに一役買いそうです。
OSC2には『SYNC』『RING』が備わっており、『SYNC』を使ったシンクリードはオシレーターのオクターブレンジが広いため、かなり強烈な効果を生み出し、『RING』はきらびやかなベル系の音色を作り出す事ができます。
MIXER部には、OSC1とOSC2のボリュームコントロールに加え、『SUB OSC』と『NOISE』を加える事ができます。
サブオシレーターの波形は三角波で、OSC1のピッチに対して1オクターブ下か2オクターブ下の設定ができ、可聴範囲を超えるような低く唸る低音を付加します。
AIRAシリーズ特有の『SCATTER』はSYSTEM-1にも搭載。
SYSTEM-1の『SCATTER』はアルペジエイターにかかるようになっており、真ん中のダイヤルでアルペジオのタイプを10タイプの中から選択。
周りのジョグダイヤルの回し具合で、『SCATTER』がかかるという仕組みです。
アルペジオタイプそれぞれに違う『SCATTER』が搭載されており、ジョグダイヤルの回し具合によってアルペジオパターンが変化し、さらに変化している各パラメーターのツマミ周りがが点滅するので、視覚的にも分かりやすくなっています。
この『SCATTER』はMIDI情報なので、外部音源にMIDI接続すれば、他の音源に『SCATTER』効果を与える事もできますし、TR-8などと接続してMIDIクロック同期することも可能です。
これは他の機材との連携がおもしろくなりそうです。
いよいよSYSTEM-1最大の目玉、『PLUG-OUT』です。
『PLUG-OUT』ってなんぞや?って思われる方も多いかと思います。
PLUG-OUTとはVSTやAudioUnits対応プラグイン・ソフト・シンセをSYSTEM-1へPLUG-OUTして、音源そのものをPCと切り離して持ち出せる機能です。
音色を入れ替える、追加する事とは全く違い、別のシンセサイザー自体を本体に追加するという事です。
さらにSYSTEM-1本体そのものと『PLUG-OUT』したシンセサイザーの2つを同時に持ち運びが可能となっており、切り替えはボタン1つで行え、切り替えのスピードも非常に早くなっております。
第一弾として1982年にローランドが発売したモノフォニック・シンセサイザー SH-101のPLUG-OUTがリリース。
SYSTEM-1へ『PLUG-OUT』すれば、SH-101そのものを持ち運べるのです。
今後『PLUG-OUTソフトウェア・シンセサイザー』がリリースされるたびに、SYSTEM-1さえ持っていれば様々なシンセサイザーを追加できます。
この『PLUG-OUTソフトウェア・シンセサイザー』はDAW上でプラグインソフトとしても使用できますが、『PLUG-OUT』したサウンドは明らかにDAW上のソフトウェアと違い、紛れもなくハードウェアシンセサイザーのサウンドです。
AIRAシリーズでパフォーマンスをするのであれば、TR-8でパターンを流しながら、キーを決めてTB-3へリアルタイムにフレーズを打ち込みます。
SYSTEM-1で決めたキーに合わせてアドリブで演奏、またはアルペジエイターをホールドで流し、スキャッターをかけたり、TR-8のパートの抜き差しをしたり、TB-3はカットオフ、レゾナンスをいじって変化させるのが非常に楽しいですよ。
今までにない全く新しいコンセプト『PLUG-OUT』で古き良きシンセサイザーのサウンドを現代に再現できるSYSTEM-1。
ぜひ店頭で体感してみて下さい。
SYSTEM-1のご注文・お問い合わせはコチラから!!