日頃は台湾BLドラマの沼にどっぷり浸ってもらいたいと思って、レビューを投稿している、アラフォーゲイのkeyです。
今日(3月14日)、とあるニュースが飛び込んできました。
台湾では同性婚が認められており、それをもとに多くのBLドラマも「結婚まで行くか行かないか」(=最後までより添い遂げることができるか)といった視点も持ちつつ最終回を見ることができます。
一方の日本では同性婚は認められていません。
いつもの流れとは違いますが、今日はこのニュースから私個人の(あくまで個人的な)考えをまとめてみたいと思います。長くなりますがご容赦ください。
台湾の同性婚はどのように認められてきたか
国際シンポジウムに寄せられた文書が見つかりました。こちらから一部引用します。
(https://jats.gr.jp/cp-bin/wordpress5/wp-content/uploads/journal/gakkaiho021_07.pdf)
こんな痛ましい事件が起こっていたようです。LGBTパレードの前であったことから、婚姻の平等化・同性婚の法制化を求める機運が急速に高まっていったとのこと。時の政権与党であった民進党は、民法改正案として、以下のような点を踏まえた法案を提出しました。
1 婚約は双方当事者が定める
2 婚姻が成立すれば配偶者となり、すべての権利と義務において異性愛者と同様である
3 同性婚の親と子の関係は、養子縁組という形で実現する
しかしその後、強烈な反対運動が巻き起こったようです。先の文書によれば、
アンチ勢力が急いで大動員をかけ、宗教団体は宗派超えて大集結し、これに子を持つ親の団体も加わりました。
彼らは極めて威圧的に、侮辱的なデマを流して、人を恐怖に陥れるようなやり方で動員をかけたのです。
たとえば、同性婚を法制化したら、夫婦も、父母も、祖父母も、兄弟姉妹という親族関係もなくなり、婚姻が崩壊する、 さらに HIV の蔓延を助長し、健康保険制度に破綻をきたし、息子や娘が同性愛者になってしまうと喧伝しました。同性婚法制化後には、学校では LGBT 教育や性の解放などを教えるようになる。あなたの夫は愛人を家に連れ込んだり、近親相姦、獣姦、果ては観覧車とも交わる(何でも性交の相手とすることを極端な例えにしたもの)などのデマを流しました。
国会審議も難航したようです。2万人の反対派が議会を取り囲んだり、野党(国民党)からは審議の先延ばしも行われたりしたとのこと。最終的には12月10日の世界人権デーに合わせて支持者25万人が同性婚法制化を求めて声を上げ、国会審議が始まったのです。
そして極めつきは、2017年5月24日、憲法裁判所から「同性愛者の婚姻を保障していないことは違憲である」との憲法解釈がなされました。同時に2年以内の立法化が命じられ、具体的な内容の検討に入ることができたのです。
…いやぁ、いい話でした…と言いたいところですが、アンチ派は黙っていません。2018年に以下のような国民投票が行われるようになりました。
⑩あなたは民法婚姻の規定を一男一女の結合に限定すべきことに賛成ですか?
⑪あなたは義務教育段階で、学校が生徒に対してLGBT教育を実施すべきではないことに賛成ですか?
⑫あなたは民法婚姻の規定以外のその他の形式によって性別を同じくする二人が永続的に共同生活を送る権利利益を保障することに賛成ですか?
アンチ派はこれでもか、というぐらいの反対キャンペーンをはったようです。その結果、アンチ派の大勝利となってしまいました。
特に⑩では、72.5%が賛成を投じたとのこと。
しかしその後、憲法解釈は憲法と同様の効力を持ち、国民投票とはいえどもそれに抵触してはならないといった憲法裁判所の考えの公表もあったため、
民法婚姻の規定は男女に限定(=国民投票による拘束)しつつ、
「同性愛者の婚姻を保障」(=憲法裁判所による拘束)するための特別法が制定され、2019年5月24日から台湾では同性愛者の婚姻が認められるようになりました。
日本では同性婚はなぜ認められないか
こんなまとめサイトを見つけました。
これによると、
民法では、婚姻の要件として性別については掲げていません。しかし、条文中に「夫婦」という言葉が多く使われているなど、結婚は男女間ですることが前提とされている表現があります。これにより、民法は同性婚を認めていないという解釈がされています。
また日本国憲法では
第二十四条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し…
とあり、平成27年の参議院本会議において、当時の安部総理大臣が「現行憲法の下では、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません。」と答弁したこともあるそうです。
そのため、「憲法が策定されたときに想定されていなかっただけであり、かつ同性婚を禁止だと明文化した法律がないのに同性婚を禁止するのは(異性婚のみに認められるメリットがある以上)法の下の平等に反しており、違憲である」と裁判所に訴えているカップルがいます。
最初の記事はそうした申し立てに対し、高等裁判所が「民法規定は違憲である」と判断したことを伝える記事だったのです。
ヤフコメに対する感想・反論
長々とすみません。ここからが私の感想・反論です。
台湾でも紆余曲折を経て法制化された同性婚の規定。そりゃ、反対意見も出ます。だからそれに対して何でもかんでも文句を言いたいわけではありません。
ただし、ヤフコメには少し勘違いしてコメントを残した方もいるようです。私個人の、あくまで個人の意見を少し述べてみます。
同性婚を望む人がどれくらいの割合でいるんですか?日本国籍を取るための婚姻なども増えると思います。単純にここだけを可能にすれば良いことでもありません。色々な犯罪や戸籍にどう影響していくかなど他の影響を検証をすべきです。
LGBTが1割ぐらいの割合で存在している、なんて通説がありますね。
同性婚を望む人がどれくらいの割合か、と言われたら、全体の1割(=LGBTの存在割合)のうち、半分いかないぐらいではないでしょうか。私は今彼氏もいないし、結婚したいとも思わないから、同じ考えの人もいるでしょう。
しかし、犯罪が増えるかも…の「かも論」を言うなら、今の時点でも日本人と結婚する外国人もいるわけで。その人たちはみんな犯罪者ですか?
異性愛者でも起こらないことは、同性愛者でも起こらない。
言い方を変えれば、同性愛者で起こることは、異性愛者でも起こるのですよ。
もし同性婚を認めるなら、親族以外とは実質誰とでも婚姻が可能になります。もはや婚姻とは何か?というレベルの話でしょう。
確かに本気で同性婚を望んでいる方もいらっしゃるのでしょうが、それを認めたが故に婚姻の税優遇等欲しさに婚姻を結ぼうとする人間が多数出てきてはどうしようもない。
「婚姻とは何か」が問われているという点において、私もそう思うのですよ。大変に満足して婚姻関係を続けている夫婦もいれば、失礼ながら別れる直前の方もいますよね?私の親も離婚していますし。
嫌々ながらもずっと一緒にいる…それが「婚姻」ですか?
だというなら、それを同性愛者にも認めないのはなぜか?と思うのです。
まして、婚姻関係における人たちだけ税制の優遇があること、私結構おかしいと思います。一馬力で一生懸命働いても、控除がないから税金いっぱいとられますよ。婚姻関係にある方たちよりお金収めているかもしれないんですよ?これは不公平じゃないですか?
結婚を認めてもらいたい気持ちはわかります、同性を好きになり生活を共にしたいのも判ります、ただ法的な結婚となると人間が持って生まれた宿命というか定めとしては男女の結婚を正しい成合とするとこで国が安定し未来に持続できる仕組みが基本にあるのだろうと思いますね、
この垣根を越えれば対人間だけでなく動物やAIとの結婚もその権利を主張できる可能性が出てきてもおかしくないですよね、法的に無くても好きならば良いのではと思いますが…
この方が何言ってるのかよくわかりません。
①人間が持って生まれた宿命…については、まあ確かに。子供が産めないから国が安定し未来に持続できる感じにはならないでしょうね。ただそれを言うなら、異性愛者のみにしか結婚が認められないのに、現状で出生率が低下し続けている現状を何とかせい。
ヤフコメには「同性愛者が増えると少子化が…」的なコメントもありますが、現状で少子化が進行しているのにそれを同性愛者のせいにするな。
②動物やAIとの結婚…に至っては、極論を言えばそれっぽい否定ができると思っている、ただの●●だと思います。
私個人が同性婚に賛成する理由は以下の通りです。
結婚している人たちだけしか認められない権利関係があること
私は一人で暮らしていくとほぼ決めています。しかし、もし好きな人がいて、一緒に暮らしている中、生死にかかわる病気で病院に行ったとき、私たちは家族ではないから病院に入れない。財産を残すときに、家族ではないから遺産があげられない。小さな話ですがスマホの家族プランに入れない。
同性愛者が特殊な存在だというのは重々承知の上なんです。しかし、異性愛者と同じように生活を送り、将来を考え、やがては死ぬ時のことを思い…といった、誰とも変わらない人生を送っているんです。
それが「同性愛者」だからだという理由で一部の権利が奪われるのは違うのではないか?と思います。反対意見を叩き潰したいのではありません。こんな現状があることも知っておいてほしかっただけです。
次回はまたレビューを投稿します。