しばらく電波のない所にいました。


電話もメールもできない。


先週からずっと山をあちこち廻っていて
私も夫もリモートワークでしたが
それもできない所にいました。


テレビも見ず
もちろんネットニュースも見ない。


自然の中で夫と2人


朝から山を歩いたり
湖を散策したり
カヤックで夫と息を合わせて
滑らかな湖面を滑るように進み
対岸に渡り、今まで遠くに見るだけだった場所を
2人で歩く。











小さな花に目を留めて写真を撮り
名前を調べる。


野鳥の鳴き声に耳を傾け生息地や生態を調べ
あれやこれや思いを馳せる。









穏やかな時間が過ぎて行くように思えるのに
時間が止まったような錯覚も覚える
不思議な感覚…


夫と断絶している子どもたちの存在すら
遥か遠くになってしまい
周りに人はいるのに
世界に2人だけしか存在しないみたいな…









今はまた電波のある所にに戻り
仕事の電話やメールも来て
子どもたちや友人からのLINEの未読が
200件以上。


現実に引き戻されるけど
まだ自宅には戻ってないので
あと数日はまだこの不思議な感覚を引きずりそう。









私は自分の生きてきた過去が
自分のものなのかどうかさえ
ふと疑問に思えたりしながら
相変わらず一寸先のことも何も分からずじまいで
その一瞬一瞬をただ生きているだけ。



それじゃ人生つまらないじゃないかと思ったり
もう何も考えたくないと思ったり
先のことを思い悩むのも無駄なことかもしれないけど、それなら過去のことを思い悩むのは
どれだけ意味のないつまらないことか…



そうは思いつつも
きょうもまた、フラッシュバックというやつは
私の心に不意にふらっと現れたりする。



でもこのところの私は
そんなフラッシュバックから
静かにフォーカスをずらすことができている。



嫌なものを見ないようにするということは
嫌な現実に蓋をしているだけなのかもしれない。



だとしても私はできる限りこの不思議な状態が
続けばいいな、と思っている。



そんなに長くは続かないだろうとも
思いながら。