「こんなにいつまでも不倫されたことを蒸し返すのは
Mがプライドが高すぎるからだよ。」


と言う夫の前にこの本👆を置いた。


「こんなにいつまでも苦しむのは
私がおかしいの❓
他の人はみんな不倫されてもさっさと忘れて
何もなかったように楽しく暮らしてるの❓
この本にはそうは書いてない。

Sさんは一冊の本でなにが証明できるんだって
思うだけでしょうけどね。

この本を読んだって、この本に書かれてることなんてきっとまったく理解できないでしょうね。

なんたってSさんは法律すら「意味がない」で
片付けちゃうんだから。

Sさんの中ではSさんの考えだけが真実で
意味を持ってて
その他の人の言うことなんて
なんの意味も持たないでしょうから。」


そう言うと
夫は目の前に置かれた本を手に取り
タイトルを見て

「こんな本、いつ買ったの❓
最近じゃないよね❓
まだこんな本、読んでた訳じゃないよね❓」


「つい最近買った。
Sさんが家にいるからまだ半分くらいしか読んでないけど。」



そう言うと夫は表紙をめくり
その本を読み始めた。


本の冒頭は警察官同士の不倫の話で
不倫は犯罪ではないけど
2人とも結局は職場で降格などの待遇に
甘んじることとなったという話。


夫はずっと不倫なんてみんなしてるし
芸能人が不倫であんなにバッシングされるのは
おかしいと言い続けているので
初っ端からギクッとしただろう。


しか〜し、
夫の自分絶対主義はそれくらいでは
ピクリともしないのはわかっている。


最後まで読み切るとはまったく思っていなかった。


きっと途中で「バカバカしい」と言って
投げ出すだろうと思っていた。



2時間ほどしてリビングに戻ると

「この本、全部読んだよ。」


といつものように冷静沈着な夫がいた。


続きます…