夫は今まで
私から見たら
とても恵まれた人生を
送って来た
と思う。
経済的にも恵まれ
長男として家族や周りの人達の愛情を
たっぷり受けて
おそらく
何不自由ない生活を送ってきたはず。
子どもの頃から欲しいものは何でも買い与えられ
いろいろな習い事もし
いろんな所に旅行にも行き
学生時代に海外留学もし
やりたい事は何でもやってきた。
仕事も自分の希望する職業に就けたし
ある程度成功し、実績も残した。
はたから見たら順風満帆の人生だと思う。
夫はネガティブなことは言いたがらないので
辛かったことは言わないだけなのかもしれないけど
今までに夫の人生の中で
「不幸」の要素を感じたのは
父親がお酒を飲んでは母親に暴力を振るい
夜、母親の泣き声を聞くのが辛かったということと
昨年初めて聞かされた
「親父も不倫してたんだ…」
という衝撃の告白。
それはとても辛い経験だったと私は思うけど
自分の不倫が発覚してずっと言い続けているのは
「不倫なんかみんなしてる。
ここまで責められるようなことじゃない。
こんなにいつまでも責めるなんて、あり得ない。
親父の不倫は夫婦の問題で
僕には関係ないと思ってるから
親父にその事について何か言ったことは一度もない」
ということ。
ということは、みんなしてるんだから
父親の不倫にも夫自身はそれほど傷ついていないだろうし
つまり、それほど不幸なこととは思ってないはず。
なのに夫は
今の自分、今の生活、自分の人生に満足できず
今なお、自分の幸せを求め続けている。
私と結婚して
3人の子どもたちに恵まれ
子どもたちが健やかに成長し
順調に暮らしているのに
夫は幸せじゃないと言う。
私に向かってはっきりと。
だから、幸せになるために
夫はずっと以前から(不倫する何年も前から)
量子力学だの相対性理論だの素粒子だの波動関数だの、様々なセミナーにお金を注ぎ込み
時間を費やしてきた。
そして今は仏教。
昨夜、久しぶりに牛スネ肉の赤ワイン煮を作った。
それを2人で食べながら、私はワインも楽しんで
夫の学生時代の趣味の話になり、
その趣味が私からしたらとても贅沢なものだったし
それを許される環境や両親の理解の深さを思い
思わず
「Sさん(夫)、いい人生送ってるね〜
もう何もやり残したことないでしょ。
最高の人生じゃない❓」
と、それまでの背景も含めて感じたことを
心のままに言った。
するとそれまで楽しそうに学生時代の話をしていた夫の顔が、
急に曇った。
そして
「相対的に見れば幸せなのかもしれないけど
でも僕の求める幸せはそうじゃないんだよ。
今あるのは本当の幸せじゃない。
今のままじゃ、幸せとは言えないんだよ。」
はっきりとそう言った。
「幸せはお金とか地位とか、そんな表面的なものじゃないんだよ。」と。
それは…
そんなことみんな知ってる 私だって。
小学生だって言えること。
だからこそ、お金や地位がなくても家族がいれば
家族が幸せに暮らせれば
それが「シアワセ」なんじゃないの❓
私や子どもたちがいても
「シアワセ」
じゃないの❓
確かに今は子どもたちとは断絶しているけど
それは夫自身が自分のプライドのために
非を認めず子どもたちに心から謝らないから
そんな状態になっているだけで
夫自身の選択の結果でしかないわけで
だから幸せじゃないなんて
それはおかしな理屈としか私には思えない。
子どもたちの事が原因で幸せになれないのなら
とっとと自分の非を認めて
子どもたちに謝れば済むのに
それをしないのは、原因はそこではないということ。
そんな夫が
時々私に問いかける。
旅行に行ったり
誕生日やイベントの時にプレゼントをくれたり
そんな時は必ず
「M(私)、幸せでしょ❓
こんなに楽しいことできて
幸せでしょ❓」
思わず私は
ふ〜〜〜〜 っと
ため息をつきたくなる…
夫の思う「シアワセ」って
何なんだろう❓