夫と2人で受けたカップルカウンセリングで

カウンセラーに

Mさんが苦しんでいる間は子どもたちも
母親を苦しめる父親を許せず、苦しみ続けてしまう

子どもたちはMさんが夫を許して初めて
父親を許してもいいと思える

まずはMさんが夫を許すことが必要

と言われ

その日のテーマ「夫と子どもたちの関係修復」のため、悲愴感と涙と鼻水でグチャグチャになりながら
夫に子どもたちに対する態度を改めさせようと必死だった私は、
突然の形勢逆転にしばらく呆然として
次の言葉が出てこなかった…











そうか…



今必要なのは


夫の改心ではなく


私が過去を忘れて


夫を許すこと…






発覚してから3年半


いや、夫のモラハラに苦しめられてきた何年もの間


私は夫を許さなければと思いながら


それができず苦しんで来たのに


子どもたちが苦しんでいるのは


私が夫を許していないからだと


私が原因だと…



夫の前ではっきりそう言われ

私はようやく振り絞ったかすれた声で


「・・・ わかりました…  では…

次回からは私のカウンセリングということで…」


それだけ言うのがやっとだった…


帰る道すがら
隣を並んで歩く夫は 前を向いたまま

「カウンセラーの言う通り
子どもたちはMの気持ちを敏感に感じ取るんだよ。

だから僕が何を言っても彼らの気持ちは変わらない。

Mが、もう僕を許すから子どもたちもパパを許してやってほしいって言わない限り、
今の状態は変わらないと思う。

Mの気持ちとは違うかもしれないけど
僕としてはMから子どもたちに口添えしてもらうしかもう、解決策はないと思う。」

と言った。



私に嘘をつけと。


ママはパパに不倫されたけど
ママも悪かったし、パパも充分反省してるから
もう過去は全部忘れて
これからはパパと2人でシアワセになるよ。

いや、もうシアワセだよ。


そう言えと。



夫は本当にそう思っているらしい。

今までも何度かそれは言われていた。


子どもたちにMから口添えしてほしい、と。


私はその度にLINEでそう伝えてきた…  つもり…




いや、



でも
本当は


その度、行間に

私は夫への許せぬ思いを


微かに匂わせていたのかもしれない…



夫は不倫し 発覚してなお、
女とも私とも別れるつもりはないと
真顔で言い放ち、
傷つき荒れ狂う妻をなおも「いい加減にしろ」と
私の欠点を挙げつらい、なじり、突き放して
そのゲス不倫を子どもたちに知られたら
妻に「もうパパを許したからあなたたちも許してあげて」と言えと言う。





人生ってこんなものですか❓



不倫なんて珍しくもなくて
こんなにいつまでもガタガタ文句を言う私が
おかしいんですか❓




こんなにいつまでも苦しむのは
自分が悪いんです…   ね…


そんなに嫌ならさっさと別れてしまえば済むんだから
それをしないのは自分の責任…













自分でもわかっていた。

子どもたちが私の気持ちを思って
父親を許せないということを。


母親が父親に受けた裏切りに
あれほど痩せ細り激変した様子を
子どもたちも生涯忘れることはできないだろう。



私は夫を許さなければならない。


自分のためではなく


子どもたちのために。




私が夫を許すことは



おそらく




生涯できないだろうけど。