旅行に出ていると

毎日が非日常で

夫とは楽しくやりながらも

女の影は常に頭の中にあり

いろんなきっかけで

急にその影は大きくなって

私の思考のすべてを

占領しようとする。

私は必死にその影を振り払い

頭の中から女を追い出すために

目の前にある「非日常という現実」の中に

必死に何か楽しいことや新しい発見を探し

心を蝕む女の影を

追い出そうとする。

ただ

この瞬間も

子どもたちの

不倫した父親に対する怒りや失望や

自分の父親がそんな人間だったことを

受け入れられないどうしようもない思いを

消せないまま過ごしていると思うと

やっぱり私は

ただ夫が言うように、

単純に私たちが幸せになることが

唯一子どもたちを納得させられることとは思えない。

旅の中の美しい風景や

楽しい出来事を子どもたちに送っても

私の発言にはすぐに楽しい反応が来るのに

夫の発言は全員スルー…

夫は寂し気だ…











私から子どもたちに

もうこれ以上はパパとママの問題だから、と

親子の問題ではないから、と

気持ちに区切りをつけられるように

何か言ってあげなければと思うのに

これ以上 何をどう言ったら

区切りをつけられるのか

なかなかわからず

時間だけが過ぎていく…










私には

私と夫が幸せになろうとすればするほど

子どもたちの気持ちを

置き去りにしているようにしか思えない。



夫は

子どもたちが納得するには

私たち夫婦が幸せになるしかないと言い

すべてなかったかのように

自分の幸せを追い求めているようにしか見えない。



私は

親に対する不信感を抱いたまま

生きていく子どもたちのことを思うと

とても自分だけ幸せになど

なってはいけないと

思ってしまう…