夫は
「何もできないくせに夫に偉そうなことを言う」私と、これから「最高の夫婦」を目指すと言う。


いや、子どもたちにバレるまでは
もうすでに「最高の夫婦」と
自ら思っていたらしい。


ハハハ…



笑わせてくれる。



自分がいくら「何でもできる」からと言って
「何もできない」私と
なぜ「最高の夫婦」なんて目指せるのか。



何を言ってもすべてはね返されるどころか
私が夫に必死の思いで振り絞る言葉は
夫にはぶつかる感覚さえも与えず
夫の感情も聴覚さえもするっとすりぬけて
虚しく行き先を失うだけ…



夫とどんなに話し合っても
得られるのは

無力感だけ…



この人とこの先 心を合わせて生きていくなんて



もう考えられない。



でも、こんなに苦しめてしまった子どもたちには

これ以上辛い思いはさせない。



「ママはこれからパパともう一度やり直して
シアワセになるよ。」



そうメッセージを送ろう。


悲しい偽りのメッセージを…





                     ♧♧♧♧♧♧♧♧♧



子どもたちへ

きのう夜、パパとまた話しました。

パパは、
「とにかく今はみんなの怒りがすごくて何を言ってもはね返されるから、
しばらく冷却期間をおかないと話しができない」
って言ってる。


「子どもたちと家族としてやって行くことを諦めるの❓」って聞いたら

「そんなことはない。
絶対に諦めてはいないよ。
でもそんなにすぐに子どもたちの気持ちの整理がつくとも思えないから、、、
時間をかけないと無理だと思う。」って。

そうだよね…

そんなにすぐに納得できることじゃないよね。

ママは3年かかってパパが謝ってくれてようやく前を向こうと思えたからね…



ママは今回みんながこんなに必死に
自分のことみたいに
パパに猛抗議してくれてびっくりしてる。

それだけみんなのショックが大きかったってことだよね…

こんな時期に自分たちの日常も大変な時なのに、
ママのためにほんとにありがとう。

そして子どもたちにこんな辛いことで悩ませてしまって、心から申し訳ないと思う。

パパも、
これまでの間違いを反省し、
またいい夫婦になれるようがんばる 
と言ってくれてるのでママもそのつもりでいます。

子どもたちにこんなに心配や迷惑をかけてしまったけど、もう一度、
昔のような楽しい五角形の家族に戻れるよう、
みんなもパパとママに協力してくれないかな…


そのためにはもう少し時間が必要だけど、
もう一度やり直すパパとママを静かに見ていてほしい。

なのでこの件に関するパパとのLINEのやり取りも
ある程度の期間、休止にしてもらいたいと
パパが言ってるけど了承してもらえるかな。



        ♧♧♧♧♧

(因みにこのメッセージ、夫の検閲を経て
数カ所の訂正・加筆の上
子どもたちに送信されました)




そして私は夫にもメッセージを送った。


もう直接話すのも辛すぎるので…



        ☂☂☂☂☂


Sさんへ

これは子どもたちへの表向きのLINEであって、
私の気持ちは今朝話した通り、
以前のように表向きだけいい夫婦を演じるしかないと思ってます。


もうやり直そうと努力することにも疲れました。


もしSさんが仮面夫婦を拒否するなら
離婚ということになりますね。


申し訳ありません。


Sさんの声は優しくて、
昔から「罵声を浴びせる」なんてことはなかった。


でも昔から、
子どもたちの前ではお互い仲良くしてても、
夜 寝室に入ってふたりになると
Sさんに私の悪いところを指摘されたり
もっと笑顔でいろと言われるのが、
恐かった…

毎日Sさんにどう思われるか
そればかり気にして
私は笑顔を作ることさえ苦痛だった。


だから、寝室は私にとって「辛い場所」だった。


夫婦として他の誰よりも密接な関係なだけに、
むしろわかり合うことは難しいんだね。



こんな私と、今まで夫婦でいてくれて
経済的にも普通以上のことをしてもらって、
本当にありがたいと思っています。


人間としての魅力がないどころか、
するべきこともできない私を今まで妻としていさせてくれてありがとう。



もしSさんが無理でなければ、生活は今のままで、
もうお互いにわかり合おうとする辛い作業はやめましょう。



                        ☂☂☂☂☂☂




それを読んだ夫が私のそばに来て

辛そうに言った。



「何もできないくせに、なんて
誰でもケンカの時にはつい言うこともあるし
そんなに酷いことでもないじゃないか。

どうしてそんなことにそこまでこだわるんだ。

この3年間、僕なりにMのために
一生懸命がんばってきたつもりだよ。
それはわかってくれるよね?」


もう何も話す気持ちにはなれなかった。


「わかってる。

ありがとう。

でももう疲れた…   」



それしか言葉がなかった…