「再構築」という言葉



なんだか不倫に関して使うのはいまだ抵抗がある…




私は夫に不倫されたのに
離婚もせず
家庭内別居もせず
表向きだけでなく
夫にも心から「再構築」を願っている妻
を演じている。



だから抵抗があるのだろう。



心から願っているわけではないのに
そのフリをしている。



夫の望む妻になろうと努力し
夫の望むことは極力受け入れるフリをする。
(絶対受け入れられないこともあるけど)



そんなことだから夫のモラハラが
ますます助長されるのだろう。



本当は私を裏切った夫なんか
三行半突きつけて財産分与して
サッサと別れてしまいたい。



女とダブル不倫して
おまけに発覚しても
女とも別れず
私とも離婚しないと言い続け
私が離婚準備のため弁護士のところに行ったら
仕方なく女と別れると言いながら
水面下で、女に
「✖️✖️を失いたくない。
   ✖️✖️のことは絶対に僕が守るから❤️」
なんてキモいラインを送っていた夫。



そんな夫
サッサと捨ててこんな家から出て行ってしまいたい。



何もかも捨てて
何もかも忘れて
一人で
何も考えずに暮らしたい。








でも
それって
もはや「生きてる」とは言えないよね…











そう




離婚したい
不倫した夫なんか
サッサと捨ててやりたい。



そう思いながら
離婚した後の
私の人生を想像できない…




他の女と   数年間
私の知らない別の時間を過ごして
私とは別の人生を歩んでいた夫。
家族にも私にも   何食わぬ顔をして。



そんな耐え難いことをされたのに
私は今もなお
毎日 夫に
「愛してる」
と囁き
夫の胸にすがらずにいられない。



これは「再構築」しようとしているフリをしてるだけなのか



離婚したい気持ちと
夫のいない人生をどうしても想像できない気持ち



この相入れない2つの気持ちを
同時に持ち続けながら生きていくための
自己暗示のため
私は毎日、夫の胸にすがり
「愛してる」
と囁き続けるのだろう。











夫に不倫されながら
再構築を志し 一生努力し続ける



そんな理不尽なことを
純粋な気持ちでできるくらいなら
私は夫のモラハラなんて意に介さず
初めから自分自身の楽しい人生を送っていただろう。



純粋に「再構築」を望めない。



なのに夫を失うこともできない。




発覚後 どうしても夫を許せず何度も私から
「離婚して」
と言った。




夫はそんな時
はじめは拒否するが、私が離婚を言い続けると
私を冷たく突き放し
無視する。



私が何を言っても冷たく無視し続ける夫に
離婚を請求していたはずなのに
なぜか私は
「お願い…
   無視しないで…」
と泣いて懇願する。




そんなことを繰り返して
私は
自分の心の均衡をどうにか保つため
自分に自己暗示をかけるようになったのか…













くる日もくる日も
私は頭の中のあの女と戦いながら
あの女の微笑む顔を消し去ることもできず
夫の胸にすがり
「愛してる」
と囁き続ける。



自己暗示…



でも所詮
大抵のことは思い込みなのかもしれない。



自分がこう と思ったことも
他の人から見たらまったく違って見えることもあるし



あんなに愛してると思っていたのに
ちょっと他に目新しくて魅力的な人が現れたら
あっと言う間にそちらの方が好きになる。




どちらが本当でどちらが思い込みなのか
正解は自分にしかわからない。



いや、自分にもわからない。




人間なんてそんなもの。



結婚して幸せを感じるのも
離婚して不幸を感じるのも
離婚して新しい幸せを感じるのも
すべて自己暗示



なのかもしれない。