私は「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」を観て気分が悪くなった夜、
結局ほとんど眠れずリビングのソファーで朝まで過ごした。


夫が起きる時間に寝室に戻ったのに
夫は私の方を振り向きもせず
身支度を整え始めた。



おはようの挨拶も何もない。



目さえ合わせない。



またいつもと同じ。



夫と私の間には冷たい空気が流れる。



それでも私は至って普通にいつも通り食事を用意した。








行列のできる食パン専門店の食パン🍞と
ベーコンたっぷりシーザーサラダ。



夫は書斎でパソコンに向かっていて
呼んでも一向に食卓につく様子もない。


夫の隣に立ち、
「きのうは具合が悪くなっちゃったの。
   先に寝てごめんね。」


と言うと夫は
「いつもすぐ機嫌が悪くなって
   仕事で疲れてるのにどうしてもっと笑顔で
   過ごせないのかな…」


いつもと同じことを言う。



具合が悪くなったのはどうしてか。
そこは考えてはくれない。



でもそれはもう諦めよう。



夫は私や子どもたちを裏切った人。



私と同じ感覚を求めても意味がない。



いつも優しいラインをくれたり
おやすみ前には必ず「愛してるよ」と言ってくれる。



暴力もない。



そこに感謝して
感覚の埋まらない溝を嘆くのはやめよう。



私は横顔を見ながら言った。



「きのうは先に寝てごめんね。
   お願い。
   一緒にご飯食べよう?」
   


少しの間があって
夫がパソコンから目を離して
「わかった。」と言って


私たちは一緒にシーザーサラダと食パンを食べた。






食べ始めると私たちはすぐにいつもの2人に戻り
その日の予定を話したり
テレビのニュースに驚いたり。



いつまでたっても同じことを繰り返しているようで
実は私たち



ほんの少しだけ




仲直りが早くなった。