夫はどうしても フレンチの巨匠♠︎♠︎♠︎と
イタリアンの新鋭のコラボのレストランを
あきらめきれなかったらしい。


リゾートとも言えないド田舎にありながら
ひと月以上前でもやっとのこと
ランチなら取れるということで
夫が予約を取った。


私がキャンセルすると言うまでは
私が女とのことをいろいろ蒸し返しても
何一つ 私の質問には答えず 飄々としていたのに
急に真剣に反応してきた。


私は構わず

「離婚するのにフレンチなんて行けるわけないでしょう。
海外ももう行かない。

子どもたちに何て言う?」





夫はさらに表情を曇らせながらも
その質問にも答えず!!



「ちょっと疲れたから少し一緒に横になろう。」

と誘ってきた。



私はソファに座ったまま動かず
またしても

夫に追い打ちをかけ続けた。


「✖︎✖︎さんが、あなたと海外に行ったこと、
メールに   夢のような時間だった  って
書いてたよね?

仕事で行ったのに、恥ずかしくないの?

仕事に不倫相手を連れて、ましてや
海外に行くなんて。

いくら関係ないふりしても 
誰だって明らかにおかしいってわかるでしょ」



夫は何も答えない。

さらに数日前に買ってもらった指輪のことも

「彼女にはどんな指輪買ってあげたの?

あの指輪、返品してくる」



それにも夫は答えない。





そして私の隣に座り、

静かに言った。



「僕の一番大切な人は◯◯だよ。

結婚してから☆十年も一緒に生きてきた歴史が
あるじゃないか。

これからも僕の人生の設計図には
◯◯と一緒に幸せに年老いていくことしか
書かれてないんだよ。」



フレンチをキャンセルしたくないばかりに
ここまで言うか…



「私、過去を蒸し返しても
過去は変えられないことくらい   わかってる。

でも、わかってるのに いつもこうして
頭がおかしくなって 
 言ってもどうしようもないことを
いつまでもいつまでも △△さんに言っちゃうの。

これからも一緒にいたらまた
同じことの繰り返し。

だから離婚して」




すると夫は 私の肩を抱き寄せて言った。

「◯◯の気持ちは充分わかってる。
これからも過去のことを思い出して
僕を責めたくなるだろうね。

でもそれは僕の責任だから
僕が受け止めるしかないと思ってるよ。

昨日はつい、僕も離婚すると言ってしまったけど
これからも一生◯◯と一緒にいたい気持ちは
変わってないから」



本当に自分の責任を認めるのか??


いや、信じられるわけがない。
昨日も海外旅行のウソがバレたばかりじゃないの。


私は夫の胸に崩れ落ちそうになるのを
必死に耐え

「もうムリ!!
もうこれ以上こんな状態 繰り返すの耐えられない!

一緒にいたらまた同じことの繰り返しだから!」



そう言う私をさらに両腕で抱きしめて

「1人になったらもっと辛くなるだろう?

だったら2人で一緒にいても同じじゃないか」



なんだか訳のわからないことを言われたが

そこでついに私はまたしても

夫に言いくるめられ…



「じゃあ  ✖︎✖︎のことなんか愛してなかったって
言って!!
(夫は以前、女を愛していたと堂々と言っていたので)」

「愛してなんかいないよ」

「✖︎✖︎のことなんか遊びだったって言って!!」

「遊びだよ。そうじゃなかったら
今こうして◯◯と一緒にいるわけないだろう。」


(遊びじゃなかったって言ってたじゃないの!
ウソばっかり!!)


そう思っているのに私は全身の力が抜け…



ついに        夫に身を委ね…






まるで何事もなかったかのように



2人で巨匠と新鋭のフレンチとイタリアンの融合を



☆十数回目の結婚記念日のお祝いとして



買ってもらった指輪💍をして



おいしく いただいて参りました…








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