会社の近くに、学生時代にたびたび通っていた油そばチェーンの店舗を見かけた。

味が濃くて、量が多くて、それでいて安価という三拍子揃ったこの店にはよくお世話になった。しかし、銀座というハイソな土地にあっては、この油そば店も少々異質な存在感を放っていた。浮いていると言ってもいいかもしれない。懐かしい気持ちになって、ある日の昼休みに足を運んだ。

店に入ると、手狭なカウンターには大きなボトルに入ったお酢とラー油が並んでおり、厨房からは香ばしい醤油の香りが漂ってきた。場所や店舗は違えど、店内は学生時代に通い詰めたあの油そば屋そのもので、気分が上がった。