「業務で使えるシステム」ってどんなものでしょうか?
答えはひとつではないとは思います。業務によって求められる背景や要件は違いますから。
けれども、システム開発側も業務遂行側も経験した者としてひとつ確信を持っていることがあります。それは、「システムは業務のためにある」ということです。
使われなくなるシステムは大抵業務のことを理解して作られてはいません。いくらシステムエンジニアやコンサルタントが先進的・画期的だと主張するシステムであっても、実際の業務で使われなければ万里の長城と同じです。
私は、人事給与システムをフルスクラッチで開発し、かつ給与実務も管理監督職者として経験しています。
この経験をもとに、人事給与業務においてシステムはどうあるべきか、主にSEの方々向けに不定期・連載形式でご説明させていただきたいと思います。御笑覧いただければ幸いです。
第1回目の今回はイントロダクションからです。
【Q1】
ヒト(=従業員)の管理を示す以下の図の中の(空欄)を埋めよ。

【A1】
上段( )→試雇
下段( )→異動
▼会社が経営する資源
・ヒト
・モノ
・カネ
・情報
→これらを効率的に活用して売上と利益を残すことが経営者の基本的な役目です。
▼機械を使う際では、
・どこに機械があって何をするか把握する
・予防保全、修理をする
・必要なら別の機械と交換する
・保険登録する
・消耗品代金を支払う
などを行ってます。
▼従業員も同様です
・誰が何をするか把握する
・適切な休暇を取る
・異動、入退社などをする
・会社が本人に代わって社会保険などの手続きをする
・会社が本人に代わって各種税金を支払う
▼上記を、本人が全ての手続きを行うのは非効率です。本来業務に割く時間を減らしてしまいます。よって、ほとんどの会社では、本人に代わって専門部署を設けて管理・代行しています。この部署を「人事部」(会社によっては総務部などともいう)と言います。
この部署は直接収益を上げません。営業・現業部門が必死の思いでお客様から頂いたお金を使っています。
よって、サービス品質を落とすことなくいかに効率的に作業を行うかが重要になります。
【Q2】
ヒト(=従業員)の管理を示す以下の図の中の(空欄)を埋めよ。

【A2】
上段( )→転居
下段( )→扶養
本人にとってみるとプライベートでも様々なイベントが発生します。
転居や結婚・出産などは一般に労働条件(通勤手当や家族手当など)にも関わってきます。
これらイベントは会社が正確に把握するのは難しいので、本人申請をベースにするのが一般的です。
会社は申請を受けたら、その内容を公文書(住民票、婚姻届、出生届など)によって確認し、内容に応じた適切な労働条件を提供できるように関係者と調整します。
