コーセー ビオリス ボタニカル シャンプー・コンディショナー(スリークストレート) の解析1 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

 

今回から、コーセーさんの新製品 である、ビオリス ボタニカル シャンプー・コンディショナー(スリークストレート) の解析を書いていきます。

 

今回は概要編です。全3回予定。

 

この製品、発売は2019/3/1です。ビオリス自体は2018年から発売されています。

 

既存品のリニューアルでは無く、新規なシリース追加と言う事になります。

2018年に2シリーズ、そして2019年に2シリーズとなっています。

 

このビオリス、製品の名前が長い(^_^;)

その上、特徴付けも分かりにくい(^_^;)

また、既存品と新製品のボトルが似ていて、そこも分かりにくいのです。

よく見ると色が違うのですが(^_^;)

 

あんまり分かりにくいので、シャンプーの外観と名前について、以下に表でまとめました。

それぞれのシャンプーの洗浄剤組成のみ、配合順に付記してあります。

 

今回取りあげるのは上の表の左下の「スリークストレート」というわけです。

スリークっていうのは、コーセーがよく使う英語で、「まめらか」という意味です。

 

このビオリス、2018年に発売された時は、位置づけがよくわからない製品でした。

当時、ジュレームも好調でしたし。

2018年の製品を見ると分かりますが、ジュレーム成功の原動力となった、アミノ酸系洗浄材のココイルグルタミン酸TEAが、ひどく減らされています

そのかわり、泡立ちが良いスルホコハク酸系の洗浄剤や、同じアミノ酸系でも、軽い仕上がりになるココイルメチルタウリンが、増やされています。量は多くないですが、ラウレス硫酸まで配合されています。

使用感的にも、特徴がないのが特徴というか、あまりはっきりした特徴ない使用感でした。

 

そして今年2019年。

洗浄剤を取り巻く状況は、実は大きく変わっています

コーセーの製品で言えば、最近ジュレームって、あまり売ってないと思いませんか?あれだけやっていたCMも、あまりやっていないし。

実は、ジュレームに多く使われ、ジュレーム躍進のキーとなった洗浄剤ココイルグルタミン酸の供給が逼迫しているのです。特にヘアシャンプー用のココイルグルタミン酸TEAや、洗顔フォーム用のパウダータイプの供給ががヤバイ。

原因は中国です。中国ががっぷり買ってしまうので、日本に回す分がが不足しているのです。

 

化粧品犬も、洗顔フォームやヘアシャンプー検討用のココイルグルタミン酸を分けてもらえない状況なんです。

 

おそらくですが、、コーセーさんは、ジュレームを売りたくても売れない、原料がなくて作れないから、、と言う状況なんだと思います。

 

そこでコーセーさんが代わりに売ろうとしてるのが、2019年のビオリスです。まあ、化粧品犬の想像で、コーセーさんに聞いたことは、ありませんが(^_^;)

 

ビオリスは、2018年の第1期商品の頃から、ココイルグルタミン酸の配合量は少なかったので、新製品も似たようなラインを出しやすかったのでしょう。

それが今回の2019年の製品というわけです。

 

しかし、単に2018年度製品を繰り返してるわけでは無いようです。

使用感的には若干良くなっています。少なくともスリークストレートシャンプーコンディショナーは、よりジュレームよりの使用感になっているように思います。

上の表でも書いたように、2019年度品ではココイルグルタミン酸と相性がいまいちな、泡立ちのいいスルホコハク酸系洗浄剤を外してるんですよね。ココイルグルタミン酸の配合量は相変わらず少ないようだけど、そうやって相性の悪いものを外す、、と言う感じで全体の使用感改善しているようです。

また2018年度には、2製品のうち1製品のみココイルグルタミン酸を配合していましたが、2019年度品では、新製品の全てにココイルグルタミン酸か配合されています。

このあたりも、地道に使用感を上げていこうと言う意図が見られますね。

 

とはいえ、ココイルグルタミン酸の配合量は少ないので、使用感は、まあ、それなりです(^_^;)

 

 

 

製品写真

こんな感じです。

 

今回写真を撮り忘れてて、ほぼ使い切ってしまいました(^_^;)

スゴく使用感が良いわけでは無いのですが、使い切れる程度の使用完にはなっています。

 

これらのボトルの他、チューブ入りのトリートメントもあります。

シャンプー、コンディショナーとも、それぞれ780円ぐらいです。

 

また、ペアセット言うシャンプー、コンディショナーのお得なセットも出ていて、このペアセットも780円ぐらいです

化粧品犬もこのセットを買っています。

シャンプー買うとコンディショナーがおまけで付く感じですね。

 

(スリークストレート) ペアセット

 

 

概要

ジュレームの代わりに売るつもりなのかプレスリリースもCMも、ちゃんと作ってあります。

これを見てみましょう。

 

プレスリリース

コーセー、「サロンスタイル ビオリス」から「スリークストレート」と「エクストラエアリー」の2シリーズを発売 

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP503417_S9A220C1000000/

 

このたび「ビオリス」から追加発売するのは、扱いにくい髪の悩みケアをし、理想の仕上がりにみちびく、サロン発想のインバスへアケアシリーズです。

好みの仕上がりに応じて選べる2つのラインナップで、シャンプー・コンディショナー・ヘアトリートメントを揃えました。うねってまとまらない髪もさらさらストレートにみちびく「スリークストレート」と、ボリュームを失いがちな髪もふんわりうるツヤ髪にみちびく「エクストラエアリー」を展開します。

 

ストレート用と対になるのは、ウエーブ髪用と思うのですが、何故かエクストラエアリーなんですよね。

この辺りに、ビオリスのいい加減さを感じてしまいます。

 

 

厳選した天然・植物由来成分とコールドプレス製法で丁寧に一滴一滴低温で絞られたオイル(ホホバ種子油・アルガンオイル)を配合。髪と地肌にやさしい使い心地でキューティクルをケアしながら、新たに髪悩みに合わせ、「スリークストレート」にはうねりケア成分(PVP)、「エクストラエアリー」にはスムースケア成分(ポリクオタニウム-10)を加えました。

 

植物由来成分として、ホホバ種子油・アルガンオイル配合ってのは、普通ですがまあ分かる。

問題は次のPVP(ポリビニルピロリドン)配合とか、ポリクオタニウム-10配合とかですよ。

両者とも、普通に使われている成分なんだけど、それ言うか〜って感じます(^_^;)

 

しかも、処方の説明って、プレスリリースにはこれだけしか無いんです。

買う人なめてるの???と思わざるを得ません。

 

正直、ジュレームの方が良いですよね。まあ、あまり売ってないけど(^_^;)

このなんとなく杜撰な製品が、ジュレームと同じ会社が出しているという事が、逆に驚きです。

 

 

@cosme

ビオリス ボタニカル シャンプー/コンディショナー(スリークストレート)の評価は以下の通り。

 

クチコミ 15件 注目人数 20人 評価点3.9点 

 

まあこんなもんですかね。

 

しかし、@cosme上では、もう一つの製品(エクストラエアリー)の方が評価が高いんです。

今回深くは取りあげ無い製品ですが、評価は上げておきます。

 

ビオリス ボタニカル シャンプー/コンディショナー(エクストラエアリー)の評価は以下の通り。 

 

クチコミ 8件 注目人数 36人 評価点5.1点 

 

評価点5.1点て。なんで?

実はこちらも使って見たのですが、化粧品犬のように硬い髪の人では、」ごわっとした仕上がりになってしまい、全くダメでした。軟細毛の、猫っ毛の人二は良いのかな?

よくわかりません。

 

CM

2019年度商品のCMも、ちゃんと作られています。

ガッキーですね。

 

新垣結衣 コーセー ビオリス Botanical 「ストレート・エアリー」篇 & 「ボタニカルシャンプー」篇

 

使用感など

すでに上の方で書いたように、使用感を向上させるココイルグルタミン酸が少ないので、使用感には限界があるようです。 

むしろ、ココイルグルタミン酸を減らしながらどこまで使用感を高められるか、そんな考えに基づいたシャンプーです。

柔軟効果や、髪の収まるのよさなどはいまひとつな感もあるのですが、逆に一般的な使用感の製品であるとも言えそうです。

 

コンディショナーについてはあまり書いていませんが、触った感じは水っぽくて、第一印象が悪いです。しかし使ってみると、それなりに柔軟効果はある、という処方です。第一印象で損をしているかも

 

まあ、とにかく安いので(時にペアセット)あまり高望みしなければ、満足できる、そんな製品です(^_^;)

 

次回シャンプー解析編です。