資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析2 シャンプー解析編 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

 

2018/3/7に資生堂より発売された、新しいTSUBAKIシャンプー・コンディショナーの解析をやっています。

前編となる概要編はこちらです。

 

資生堂TSUBAKIシャンプー・コンディショナー(2018)の解析1 概要編

 

 

今回はシャンプー解析編として、メイン製品(たぶん)の「しっとりまとまるシャンプー」の中身について、裏面から見て行きます。

これですね。

 

 

今回の新製品は、2016年に発売された旧製品に比べて、残念ながら使用感がかなり安っぽいので、何が原因なのか確認するのがポイントになります。

あとこの新製品とは関係ないと言えばないのですが、2016年に発売された旧製品は、赤TSUBAKIと言われるエクストラモイストシャンプーと、白TSUBAKIと言われるダメージケアシャンプーの処方が全く同じという、変わった?処方でした(少なくとも裏面表示は全く同じ)。シャンプーの処方は同じで、コンディショナーの違いで、差を演出していたようですね・・・にわかには信じられませんが。そんなのネットでも、書かれているものも読んだことも無いし(^_^;)

 

ちなみに資生堂自身の通販サイトにまだ裏面情報が残っているので、そ興味のある人はこで裏面内容を実際に確認できます。

TSUBAKIエクストラモイストシャンプー

 

TSUBAKIダメージケアシャンプー

 

製品が違う(書かれている性能も違う)のに内容が一緒と言うのは、ちょっと詐欺っぽいですよね。

 

今回のTSUBAKI新製品解析では、この2016旧製品と2018新製品のシャンプーの比較をし、

次回は、同様にコンディショナーの比較をしていきます。

新製品の理解を深めるとともに、2016年の旧製品で資生堂のやった手口(^_^;)がどういうものだったかも、解説していきます。

 

 

ではいつものように、裏面の処方を整理します。

今回取りあげたしとりまとまるシャンプー(2018年)のほかに、旧製品であるエクストラモイストシャンプー(2016年)とダメージケアシャンプー(2016年)法面も整理しました。

 

原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。

共通の成分は、共通欄に○印をつけました。

 

こんな感じになりました。

 

エクストラモイストシャンプーとダメージケアシャンプーは処方は同一なので、同じ欄に書きました

では簡単に解析して行きます。

 

上記を比較すると、処方の骨格的には似ています。

しかし2018年の新製品では、色々大事なものが抜けてます

まずは、旧製品ではちゃんと資生堂の顔であるココイルメチルタウリンタウリンNaが配合されていいるのですが。

この原料はアミノ酸系洗浄剤で安全性もそこそこ、使用感もそこそこ良くって、スーパーマイルドシャンプー以来すーっと資生堂の顔だったんですよ。

新製品ではそれを止めてますね・・・、会社のえらい人が退職されたりしたんですかね(^_^;)

これを止めため、ラウレス硫酸Naに、そこそこ安全性の良い両性洗浄剤(コカミドプロピルベタイン)を加えた、よくあるシャンプーになっちゃってますね。

他の成分では、ラウリン酸PEG-2は増粘剤、ラウリン酸とるラウリル硫酸Naは増泡の目的で配合されています。

ラウリル硫酸Naは、ラウレス硫酸Naと違って刺激が強いので、あまり使って欲しくはないのですが・・・これこそリニューアルでなくして欲しかった原料です。

 

また次のコンディショニング剤のパートでも、リニューアルで地味に良い成分が減らされてます

まず毛髪に対する吸着債が高く、:毛髪修復効果を発揮するアルギニンが抜かれてます。毛髪修復成分の定番なんですが。

またこれもセラミド類似オイルとして定番な、アミノ酸から作られたオイルのラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルも抜かれています。この成分は髪のCMC(セラミドのような層構造)の修復効果もあるのにもったいない。

 

まあシャンプーで最も大事なのはカチオン化ポリマーなんですが、それにあたるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドと(プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド)コポリマーは継続使用されているので、最低限の質は保っているわけですね。

グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは資生堂以外にも良く使われている成分なのですが、(プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド)コポリマーは珍しいです。これは資生堂と三菱化学株式会社が共同で開発しもので、ダメージもJの修復効果と特に艶を向上させる効果の高い成分と言うことで、現行のマシェリシャンプーなどにも使用されているものです。

 

更に保湿剤のパートを見ると。

以前は大きく広告していた、麹でツバキ油を発酵させた成分も新製品では抜いています(アスペルギルス/ツバキ種子発酵エキス液)。さらにヒアルロン酸系成分や加水分解コンキオリン(真珠タンパク)なども抜いていて、正にやりたい放題(^_^;)

代わりに配合しているのが、資生堂の言うところの植物美容成分(レモンエキス、ローズ水、ローヤルゼリーエキス、ダイズ種子エキス)。この中で効果ががありそうなので、タンパク系原料のダイズ種子エキスかな?

ここまで美容成分を思う存分に抜いたあとでは、全く埋め合わせになりませんが。

正直、悪意を感じるほどの変更です(^_^;)

 

まあリニューアル前の、エクストラモイストシャンプーとダメージケアシャンプーが同じ処方って言うのも、どうかとは思いますが(^_^;)

 

「これでいいんだ」と資生堂さんが思わないためにも、今回のTSUBAKIにはあまり売れて欲しくありませんね。

 

ちなみにこの製品、かみさんと娘(中3)にも使ってもらったのですが、二人とも、同時期にリニューアルしたメリット以下の使用感である、と言う評価でした(^_^;)