◆作品賞
★『罪人たち』
事実上『ワン・バトル・アフター・アナザー』との一騎打ち。どちらが作品賞を受賞しても不思議ではない。製作者組合賞などを含めて重要な賞は『ワン・バトル・アフター・アナザー』が制しているが、俳優組合賞のキャスト賞を受賞したのは『罪人たち』だった。そう、今風は『罪人たち』の方に吹いている気がするのだ。2025年を代表する映画になるのはどちらか。ちなみに賞レースが始まる全く前、両作品をちゃんと日本公開時に観た自分を褒めたい。
◆監督賞
★ポール・トーマス・アンダーソン 『ワン・バトル・アフター・アナザー』
こちらはポール・トーマス・アンダーソンの受賞が堅い。正直言うと『罪人たち』のライアン・クーグラーと、どちらが受賞しても不思議ではない。しかし、そうなった時に会員がどちらに票を入れたくなるか、それは恐らく両者のキャリアで差が出る。2010年代に出てきた新進気鋭のクーグラーに対し、90年代から活躍を続け、世界三大映画祭全てで監督賞を制した、しかしオスカーの栄誉を手にしていないアンダーソン。どちらにより票が集まるかは明白だ。映画ファンに愛される鬼才が遂にオスカーの歴史に名を遺すか。
◆主演男優賞
★マイケル・B・ジョーダン 『罪人たち』
正直言って賞レース終盤までは『マーティ・シュプリーム』のティモシー・シャラメの受賞がほぼ一択で、それ以外は考えられない状態だった。しかし、俳優組合賞でジョーダンが受賞したことで流れが一気に変わった。加えてシャラメはバレエなど他の文化芸能を下に見るような発言をしたとして炎上している。特に主演部門は、その受賞者の多くが作品賞ノミネートから出ている、その年を代表する俳優・女優だ。それ相応の振舞いが求められるのもまた事実。シャラメが自ら評価を下げていることも含めて、ジョーダンが受賞しそうな予感だ。
◆主演女優賞
★ジェシー・バックリー 『ハムネット』
賞レース中盤以降はジェシー・バックリーが安定的に勝利を重ねてきた。ゴールデン・グローブ賞や俳優組合賞も含めてバックリーが制しているこの状況を考えれば、基本的にはジェシー・バックリーが受賞すること以外はあまり考えられないのだが、唯一バックリーを倒す可能性が有りそうなのはケイト・ハドソン。『あの頃ペニー・レインと』で敗北して以来、久々のノミネート。まさかの負けから一転、まさかの受賞でサプライズを起こせるか。
◆助演男優賞
★ステラン・スカルスガルド 『センチメンタル・バリュー』
今年最も予想が難しいのが助演男優賞。前哨戦はショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロの『ワン・バトル・アフター・アナザー』組が強かった。『センチメンタル・バリュー』のステラン・スカルスガルドもゴールデン・グローブ賞を受賞したが、俳優組合賞はまさかのノミネート漏れ。ショーン・ペンが制した。非常に予想が難しいが、受賞するのは恐らく先述の3人の誰かになるだろう。そう考えた時に、デル・トロとペンは既にオスカーを受賞したことがある。まだ受賞経験が無く、アート作品から超大作まで幅広く活躍するスカルスガルドに票が集まりそうな気がする。
◆助演女優賞
★エイミー・マディガン 『WEAPONS/ウェポンズ』
今年の主役である『ワン・バトル・アフター・アナザー』と『罪人たち』からアフリカ系の女優が候補入りしている。彼女たちの演技は非常に評価が高いが、この部門は前哨戦の序盤から最後まで、ほぼほぼエイミー・マディガンの独走で終わった。『WEAPONS/ウェポンズ』は作品評価は高いものの、同作からの候補入りは彼女のみ。作品の支持票は全てエイミー・マディガンに集まる。今年はジャンル系の作品が強い。その最たる象徴が彼女になるはずだ。
◆脚本賞
★『罪人たち』
◆脚色賞
★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
◆撮影賞
★『ワン・バトル・アフター・アナザー』
◆編集賞
★『罪人たち』
◆美術賞
★『フランケンシュタイン』
◆衣装デザイン賞
★『フランケンシュタイン』
◆メイキャップ&ヘアスタイリング賞
★『罪人たち』
◆視覚効果賞
★『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
◆録音賞
★『F1 エフワン』
◆作曲賞
★『罪人たち』
◆歌曲賞
★『罪人たち』「I Lied to You」
◆キャスティング賞
★『罪人たち』
◆国際長編映画賞
★『シークレット・エージェント』
◆長編アニメーション映画賞
★『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
◆長編ドキュメンタリー映画賞
★『名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で』