天皇陛下が譲位のご意向をお示しになられたっていうニュースがやってるよね。ニュースの広がり方を見ると、やっぱり、陛下の存在が日本においていかに重要かっていうのがよくわかるね。

天皇を論じるにあたって明確にしておきたいのは、俺は尊王家だっていうことだね。尊王家っていうのは、今上陛下だけじゃなくて、2000年の天皇皇室の歴史を尊ぶ、そういう存在だと思ってる。

陛下が仮に退位なされば、光格天皇以来のことになるということで、約200年ぶりらしい。陛下のご意思が本当ならば、天皇陛下は畏るべきご聖断をされたということだよね。約150年前に作られた旧皇室典範から今日まで近代天皇の元では、譲位に関しては規定がなかった。しかしながら、陛下が譲位のご意向を示されたのであれば、陛下は近代だけを見ているのではなくて、2000年という壮大な歴史軸の中で生きてらっしゃるということになる。今の政治家の中で2000年という日本の歴史をすべての歴史を体に受けて政を行ってる政治家はいるのかね。おそらくいないだろうね。

日本はアメリカみたいにたった260年の歴史の国じゃないんだよ。2000年という歴史と伝統を持ってる国なんだよ。その歴史の中でひとり自分の御世の姿を見出そうとする陛下の存在とは日本にとってまさに象徴だろうね。

天皇は明治に始まったんじゃないんだ。自民党が天皇を元首にする改憲案を出してるけど、この見方は非常に近視眼的な天皇観だと思うね。アメリカが作り、残した憲法である日本国憲法だけど、天皇を象徴にしたっていうはなかなかうまいと思う。陛下もそう思って、象徴としての務めを果たそうとされてるのかなぁと思う。

今回の報道を受けて、様々な識者がコメント出してるけど、トンチンカンなこと言ってる奴も多いね。右よりな人は明治憲法期の天皇観をそのまま受け継いでるような人たちだから、あまりに国家主義的というか天皇陛下という個人の存在をあまりに軽んじているように見える。左の人は、人権を持ち出して話し出す連中が多いけど、それは全くもって天皇の本質を理解してないとおもう。

いろいろ言ったけど、天皇陛下のご意思が本当なのであれば、政府は皇室典範の改正を急がれるべきだし、憲法上の問題があるんなら、解釈を変えるなりして対応しなきゃいけない。今回の報道は天皇陛下の出された皇室典範の議論を進めよというメッセージだと忖度する。陛下のご意思を忖度する感性を政府も国会も持たなきゃ、皇統に関する問題はいつまでたっても議論すら進まないぞ。