(2010回)





兵之助は

與吉と巣丸の滝を後にして

大蛇が住んでいたという

蛇の池を目指したのじゃ



いよいよ蛇の池じゃのう

蛇の池





二人が目指した極楽寺山

極楽寺山写真

蛇の池


さて

一時休んだ後
二人は

目的の蛇の池を目指して
また今来た道を登り始めた


よく休んだので
足が軽くなったような気がした


極楽寺から尾根伝いに来て
滝を見に左に折れた所まで
帰ってきた

宮島実写

遠くを見ると宮島が見えた


兵之助は

大人の人が言っていたことを

思い出した。

やっぱり宮島は

女の人が空を見上げて寝ている姿

に見えると思った。


鼻があって

口があって

大きな胸が膨らんでいる



やはり
山を下るのと
登りを比べると
登りは結構時間が掛った


「いよいよ
蛇の池の探検じゃ」
兵之助が声を上げた

「何か出てくるかもしれんのう?」
與吉はちょっと不安になった。


歩いていると
がさがさと萱が揺れた。


二人はびくっとして立ち止った。

がさがさと音が大きくなり
藪の中から

めごを担いだお爺さんが
鎌を持って出てきた。


クマが出てきたのかと
二人は立ちすくみながら

その瞬間
「わっ」と声にならない声を出した


「お前ら 何をしとるんじゃ?」
熊みたいな顔をした
お爺さんが尋ねた


「こんにちは
私たちは
蛇の池の探検に来ました」
と兵之助が答えた。


もう相手が
人だと分かったので
声も落ち着いて
答えることができたんじゃ


「ああ そうか
蛇の池はすぐそこじゃ
池に落ちんようにせえよ。」

熊みたいな
怖そうなお爺さんから

優しい言葉を聞き
二人はすっかり安心した。


「ところでお前らは
何処から来たんじゃ?」


「佐方村から来ました」
と兵之助が答えた。


「そうか
わしは 原村から来た増吉じゃ」

「お前ら 暗うならんうちに
早う山を下りいよ」
と増吉爺さんは言いながら

池とは反対に
下りて行った。


「熊が出たかと思うたのう」
と兵之助が言うと


「ほんまにびっくりしたのう」と
與吉が答えた。


二人は
笑いながら蛇の池に向かったのじゃ



今日は

ここまでじゃ

・・・・・・・・・・・・・
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谷口薫