ケホヨンは   牢に入っていました。







牢屋番      「ごはんだぞ~  新入り。     こんだけの量でかわいそうだな。」









ケホヨン       「もぐもぐもぐ   ♥」






牢屋番         「うまいこともないだろうに、かわいそうになぁ……。」





ケホヨン          「モグモグモグ♪ 」






牢屋番         「そうだ!   寒さは和らいだか?そんなボロきれしかなくてすまんなあ。」






ケホヨン        「ううん♪   あったかくなったよ      ありがとう牢番さん!」






牢屋番      「そうか    よかったよかった。」






ケホヨン       「牢番さんって   やさしいんだね~♪    こわい仕事してるのに。」






牢屋番         「ん?いやいやそんなんじゃ…………(照れてる)       坊やと同じくらいの妹がいるんだよ。だからかな?」





牢屋番       「……ご両親は?      なんだって   盗みなんかはたらいたんだよ。」





ケホヨン      「だから盗んでないんだってば!ほんとだよ?!   いつも厳しく忠さまに言われてるもん!道にそれたことはしてはいけない!って。…………八百屋さんの前で長いこと悩んでただけなの。」





牢屋番         「忠さまって誰や?そして何を悩んで?」





ケホヨン        「店先に   よく熟れた干し柿があってね♪も~    ほんと美味しそうで美味しそうで。」





牢屋番          「ほう。」






ケホヨン      「でもね、横をみると    これまた悩ましい美味しそうな よもぎ団子が♥」






牢屋番       「うわ~♪   悩むな~それ。」






ケホヨン       「うん。店先から   離れれなくなっちゃった。」






牢屋番       「それはわかる!わかるぞ坊や~♪」






ケホヨン         「…………んだら、ね…………。」






牢屋番      「…………」






ケホヨン     「悩んでた美味しそうな干し柿を  違う人に持ってかれたの。あ~お会計するんだなあってみてたら、店に入らずに逃げてくから    捕まえてお店の人にゆったんだよ!」




牢屋番      「えらいじゃないか、新入り!」





ケホヨン      「そしたら   その泥棒   柿を盗んだのは  このチビだって嘘を!  」






牢屋番       「ええっ?」






ケホヨン  「んだら  おやくにんがやってきて  しょっぴかれちゃったの……。ひどいよ」







牢屋番        「…………。そうか      うん、…………うんうん   僕は坊やを信じるよ!    よし!  チョンサガン様にお伝えするよ!…………罪が確定しているから  無罪放免になるかはわからないけど    きっと   まわりまわって  捕盗大将様がお聞きになられたら   きっと  無罪放免にしてくださるかもしれない!  素晴らしいおかただからな🎵心から尊敬申し上げているんだ。」







ケホヨン     「捕盗大将?   だれー?」







牢屋番        「我らが    ポドチョンの大将   けろ盛様だ!」







ケホヨン         「けろ盛?    けろ盛くんのこと?」






牢屋番       「なっ、こらっ!口をつつしみなさい!    けろ盛くん、だなんて   なんて言い方を!ひい!」






ケホヨン       「?    けろ盛くんって   忠さまの友達のけろ盛くんじゃないの?」






牢屋番      「だから、誰や?忠さまって?それに      けろ盛様は   尊い雲の上のようなおかたなのだぞ?我々など   めったに  おあいすることも叶わん!はーしかし    いちど  訓練の時におみえになられて」












牢屋番       「後光が     さしておられた…………(うっとり)」







牢屋番       「わたしは    ポドチョンで働けることを心の底から誇りにおもっているんだ。」












ケホヨン        「…………?   けろ盛くんじゃ、ないの?」







牢屋番       「こらっ!     その呼び方やめなさい!」








牢屋番       「大将様は    今やこの国の中で   一番の  剣術の使い手なのだ!   何度も国内の剣術大会で   優勝されているんだぞ?」   





ケホヨン      「(小声で)    たしかに  けろ盛くん、強そうだよな~♪」







牢屋番      「知らんか?だいたい四年に1度  ポドチョン(捕盗庁)だけではなく、国内の各部署の猛者たちが集う、すごい大々的な大会なのだ!」







もう    ずーーーっ、と、








牢屋番「もうずーーーっ、と、な、   大将様が   優勝されている!   だいたいきまって   決勝は  親衛隊の隊長様が相手。いつも すばらしい試合になる。」







ケホヨン        「1度も  負けた事がないの?すごいなー。」







牢屋番     「……。いや。」






ケホヨン      「ん?」







牢屋番      「実は     1度だけ   負けた試合があるそうだ。     ちょうど…………ちょうど    大将殿が就職される年に開かれた    同じく国の剣術大会でな…………。」







ケホヨン       「就職?就職試験で   負けちゃったの?」






牢屋番       「さっきから話してる 剣術大会は四年に1度開かれていて、  上は   大将や、隊長クラス       下は     それなりに各地の予選で勝ち上がってきた猛者どもたち。その中に   宮中で働きたい、いわゆる  ポドチョンや、親衛隊  などに就職したい新人が  各地から予選に出て   この大会に満をじして  参加するんだ!未来の有望な人材を選ぶ試験として    この大会は大事な試合と位置付けられているんだよ。その…………その大事な試合で…………うーん…………。  」







ケホヨン      「うーん?」






牢屋番        「決勝で         負けたんだ。   二時間にも及ぶ   素晴らしい試合だったらしい。」







ケホヨン        「に、二時間?     ひい」








牢屋番         「しかも相手は   大将と同い年の  新人だったそうで…………。    新入りが優勝すると   希望の部署に就職できるんだ。…………その人は …………。」







ケホヨン       「うんうん!」






牢屋番        「…………。」






ケホヨン       「うんうん♪     どこへ勤めたの?」







牢屋番          「親御さんの関係で    地方の役人になったって噂だよ。もったいないよね……。まあ、家庭の事情だから仕方がないけど。もうそのお方に関しては 伝説になってるんだよ、我々   武芸を極めんと精進しているものたちの間では。伝説のお方……とゆうか    神   みたいなね。だって、素晴らしいうちの大将に勝つなんて!信じられないよね…………。すごすぎる。ほんと信じられないよ……。」








牢屋番       「だから、王様も   気にされておられるとか…………。」







ケホヨン       「おーさま?おーさま?  おーさま?元気なの?」







牢屋番      「こらっ!言い方に気をつけてだな」





牢屋番         「うん。お元気でなによりですよ本当。王様あっての我々     王様あってのこの国なんですからね!」







ケホヨン      「うん。」








牢屋番       「今は平和だから  よいけど…………。天変地異が続いたり、疫病が流行ったりして  民の暮らしむきが悪くなった時に…………       謀反が起きるかもしれないと   日々心配されておられるのだ。こんなに善政をしいておられるのに…………。そして   謀反が起きたさいに    旗印に…………      その…………伝説になっている  大将に勝った人が     次期王として 担がれるんじゃないか。って。」







ケホヨン        「そんなー     心配しすぎだよー!おーさま   めっちゃ良い人やのに!」







牢屋番      「こらっ!口をつつしみなさい!」






ケホヨン      「ん?それに     今    試合したら、けろ盛くんが勝つかもしれないやん?    斧を普段から振り回して   力 つけてんだからさ~♪」







牢屋番      「こらっ!口を……❔❗      あれ?  僕、斧の話    したっけ?」







ケホヨン       「ううん。」






牢屋番       「なぜ、なぜ、一部のものしかしり得ない情報を     新入りは知っている?!えええ?本当に    知り合いなのか?」







ケホヨン        「ケホヨンが  牢屋にいるって   けろ盛くんに  伝えてよぅ~。お願い~。」







牢屋番       「ええええーーーーー???」








第16話につづく。