2012年5月6日 
福島県 いわき市で撮影してきました。

 そこここに瓦礫の山があった。

 視界の遥か遠くまで…。

 もともと野球場だった所や産廃処理施設の置き場所には、

 分別済みの木端や木材が積み上げられている山々が続いていた。
 
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 上の場所の向かいにはこんな風景があります。数件の家々も建ち並んでいます。

 決して人里離れた場所に瓦礫は置いてあるわけではありません。

 瓦礫は何かで覆われているわけでもありません。



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 その先にはすぐに住宅街も…。

 これらの木材や木端の腐食が進み、万が一火が燃え上がったら?

 浜から強風が吹いてきたらチップも舞い上がることでしょう。

 進まない瓦礫処理。

 
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 申し訳程度のネットがあるだけです。

 人間は立ち入り禁止ですが、

 粉塵はどこにでも飛ぶのです。





 港の埠頭があったところには、まだ分別すらできない瓦礫が道路に沿って続いていました。

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 荒涼とした、心が寒くなる風景がどこまでも続いています。

 手前に見える四角の箱はトラックの荷台だったようです。



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 宮城県や岩手県の大津波は、地形的にもいわき市よりももっと酷い。

 福島県の相馬や双葉のあたりも大津波が押し寄せてきたんです。

 こうして一年たっても処理しきれない膨大な瓦礫の山が続く風景を見ると、どんどん心に負荷がかかっていくんですよね。

 
 農作物や海産物に新基準値を超える微量の放射能があったとか、

 瓦礫の広域処理は「放射線物質をまき散らすから私の街には来てほしくない!」とか、

 そんな話を聞くたびに、

 どんどん、どんどん、

 心に負荷がかかって来るんですよ。


 私は放射線は怖くありません。

 でも、蓄積されていく心の負荷が、

 ストレスが怖いのです。

 蓄積されたストレスが私達の身体や精神を蝕んでいくことが怖いのです。


 福島第一原発の核災害による放射線被ばくで亡くなった人は誰もいません。

 でも、震災で健康を害した人達や精神を病んでしまった人達はかなりいます。

 震災で助かった命まで亡くされた方々もいます。

 自殺してしまった方々もいます。



 福島の核災害後の放射線はきちんと自己管理すれば怖くありません。

 怖いのは「心の闇」が広がり、

 希望を見出せなくなることなのです。



 もし、あなたが被災地に住んでいないならば、

 それがどういうことかと想像してください。

 どんな思いで

 この風景を

 見つめ続けなければならないのか

 ということ、を。