パパ「アポロ」

 

アポロ「なんですか?」

 


 

 

パパ「今日はパパが子どものころに感じたことをアポロに話しますよ。

静かに聞いていてくださいね」

 

アポロ「はーい」

 

 

パパ「パパが5歳のころに引っ越しをして幼稚園が代わったことがありました。

 

幼稚園は1年間で3回代わったのですけど、そのときに新しい幼稚園にお母さんと一緒に行って、幼稚園の先生にご挨拶をしたんです。

 

そのとき、幼稚園の授業で空き缶に紙粘土をくっつけて何かを作るという工作がありました。

 

パパはお母さんに空き缶を6個もらって先生に渡して、幼稚園の授業の日を楽しみにしていました。

 

そして、初めて幼稚園の授業になったときに、工作が始まりました。

 

パパはあらかじめお母さんと一緒に幼稚園に行ったときに、空き缶を先生に渡していたので

それをパパに渡してくれるものと思っていたんです。

 

でも、なぜか、パパが用意していた空き缶がありません。

 

先生に、『この前お母さんと一緒に来た時に、先生に空き缶を6個渡した』と言ったのですが、

先生がそれを覚えていないみたいで、

結局、パパが空き缶を忘れたということにされてしまいました。

 

そして、隣の子から、余っている小さな空き缶を渡されました。

 

パパは、『せっかくお父さんにペン立てを作ってあげようと思って大きい空き缶を持ってきたのに』と思いましたが、無いものは仕方ありません。

 

なにより、持ってきていたのに、自分が忘れたことにされたのがとても悲しかったし、せっかくお母さんが自分のために空き缶を用意してくれたのに、申し訳ない気持ちになりました。

 

パパはもらった小さな空き缶に、紙粘土をつけて緑色の絵の具を塗って、お父さんに灰皿を作りました。

 

アポロ、聞いてますか?」

 

アポロ「聞いてますよ。話はぜんぜんわかりませんけど」

 

 

 

パパ「(笑) アポロはわからなくて良いですよ。

ただ聞いていてください。

 

それから、小学1年生のときに、給食があったんです。

 

パパは何でもきれいに食べるから給食を残すということはありませんでした。

 

あるとき、給食を食べ終わったから、家に帰ろうとしたんです。

 

そのときに、先生がパパに言ったんです。

 

『鹿嶋田君、あなたはなんでパンを捨てているのですか?』

 

パパは何のことなのかさっぱりわかりませんでした。

そうしたら、先生がパパの机のところの床を指を差すんです。

なんだと思って見てみたら、パンが落ちていました。

 

そして、先生が、『パンを捨てたらダメでしょう、

拾って全部食べなさい』と言いました。

 

だから、パパは先生に言いました。

 

『ぼくは全部食べた』

 

でも、先生はパパに、『嘘をつくのはいけません、食べた証拠はあるのですか?謝るまで家に帰らせません』と言いました。

 

パパは、『そんなこと言ったってぼくは食べたんです、だからもうありません、パンを捨てたのはぼくではありません、ぼくは全部食べました』と言いました。

 

(証拠という意味はわかりませんでしたが、食べたことを示して見せろというような意味だとはなんとなくわかりました(笑))

 

でも先生は言いました。

『謝るまでは帰らせません』

 

パパは、『なんで謝らなければならないのか、

ぼくは食べたのに』と思ったから、

謝らずにずっと席に座っていました。

 

そうしてずっと座っているとだんだん夕方になってきました。

 

毎日17時から楽しみにしていたテレビが始まる時間が近づいてきました。

 

パパはそのテレビを見たかったので、

先生に謝って、家に走って帰って、無事に見たかったテレビを見る事ができました(笑)

 

アポロ、聞いてますか?寝てませんよね?」

 

アポロ「はぁい、聞いてますよ」

 

 

 

パパ「小学2年生のころに、新しい先生が来ました。そして自己紹介をしていたんです。

 

パパはその先生の名前がわからなかったので、『先生、名前は何?』と言いました。

 

そうしたら、隣にいた先生が急に

パパを怒ったのです。

 

パパは、何か悪い事でも言ったのかなぁと思いました。

 

その先生が、『先生に向かってお前とはなんだ!』と言っているのです。

 

パパは何のことなのか、わかりませんでしたが、怒られているうちに先生がなぜ怒っているのかがわかりました。

 

パパは名前は何?と言ったのを、先生はお前と聞き違えていたんです。

 

だからパパは先生に、『お前なんて言ってない、名前って言ったんだ』と言いましたが、先生はわかってくれませんでした。

 

だから、パパは謝りました。でも心の中では悔しい思いでいっぱいでした。

 

パパは小学4年生までの間に4回転校をしました。幼稚園から数えると7回転校しました。

 

小学3年生のときに、転向した学校で学級委員長になりました。

 

ある時、クラスの女の子がガラスを割ってしまいました。

それを見ていたクラスの男の子が女の子にしつこく文句を言って、女の子が泣いてしまいました。

 

それを見ていたパパは、その男の子に、『割れたものは仕方ないんだから、女の子にしつこく言うのはやめろよ』と言ったら、その男の子はパパに殴りかかってきたので、パパもその男の子を殴り、喧嘩になりました。

 

先生がやってきて、『何で喧嘩しているのか、喧嘩両成敗だ、鹿嶋田は学級委員長なのになんで喧嘩してるんだ』と言って、怒られました。

 

パパは、『その男の子がしつこいから注意したら、殴ってきたので殴り返したんだ』と言いましたが、学級委員長が喧嘩をするのはダメだといって、怒られました。

 

パパはなぜ怒られるのかわかりませんでした。

 

その学校もしばらくして転校しました。

 

転校する最終日のとき

その女の子がパパにプレゼントをくれました。

 

パパは『ありがとう、バイバイ』と言って

学校を去りました。

 

アポロ、聞いていますか?アポロ。

あっ、腹出して寝ちゃってますよ(笑)

 

 

 

じゃあ、続きはまた今度にしますね。

ゆっくりそのまま寝ていてください(笑)」

 

 

 

◆コウスケより一言◆

 

自分の思っていることを相手に伝えるのは難しい

 

自分の思っていることを自分の持っている単語で表現する段階で、思いを全て表現できるわけではないから

 

そして相手も

相手には相手のもつ単語のイメージもあるし

その単語のニュアンスも違ったりするから

 

自分の思っていることが思っているように相手に伝わるとは限らない

 

特に子どものころは

単語力が無いから余計に

自分の思いを正確に伝えられないことが多い

 

だから

子どもが話す言葉は

 

静かな気持ちで

笑顔で

最後まで

ゆっくりと聞いてあげたい

 

それは

人間に限らず

動物が話す言葉も同じ

 

彼らなりの思いがあったり

彼らの習性があったりする中で

 

一生懸命、伝えてくれている

 

それを人間である

自分のフィルターを通すことなく

 

どういう気持ちで今、それを自分に伝えようとしているのか

 

それを静かな気持ちで

笑顔で

ゆっくりと聞いてあげたい

 

そして

自分に一生懸命伝えようとしてくれている

その気持ちそのものが

いつもとても嬉しい

 

一生懸命

思いを伝えてきてくれて

ありがとう

 

君の話を

いつでも聞くから

安心して

話をしてください

 

 

 

 

 

 

夢犬屋の千夏先生のYouTubeに出演させていただきました

お題は「千夏先生とトラジロウ君のご縁」を

私がその場でアニコミしました

 

 

インスタライブしました

アーカイブ残っているのでよろしかったらご視聴どうぞ