長いと思っていたお盆休みも着々と過ぎていく。


今日は朝から、何だか憂鬱だった。

そもそも迎え火とか送り火とかの習慣はない。


あれからだ。お盆とか、彼岸とか気にし始めたのは。


この3日間、側にいたトンボ。

この時期飛ぶらしいトンボ。見たのは1匹だけ。

朝夕の水やりの時にいつも何故か近くにいた。


そのトンボはしっぽに少し特徴があったから、同じトンボだと思った。


今日お風呂に入りながら思っていた。

精霊馬は来る時は内向きに、帰りは外向きに。と。

わかっていたけど、嫌だった。

外向きにしたくなかった。


ずっといてほしい。と思っていた。


でも、何だかバス停でバス待ちをしているようなあの子とお義母さんがちらついた。

ダメだと思った。


急に寂しくなり、我慢していたものが全部出るように泣いてしまった。

心配した夫に想いを話す。


そうやね。と言いながら、すぐお彼岸になるよ。

おはぎ楽しみにしてるかも。と言われ、そっかと持ち直す。


それから、送り火を。


今日は風も強く、夕方から雨もチラついて朝からトンボを見ることはなかった。


火をつけて、すぐにあのトンボが来た。

やっぱり?と思う。

もう1匹少し色合いのあるトンボも。


お義母さんとあの子だと思った。


あの子の名前を呼び、小さな頃トンボを捕まえる為に指を出した動作を無意識に。

本当はトンボは怖い。


無意識だった。

あんなに中々止まらなかったはずなのに、

すぐに止まる。


やっぱりと確信する。

靴の動きとか、電気とか、何となくそう?より、

トンボか。


鈍感な私がわかるように、年々レベルアップしている。


すごいな。

ありがとう。


止まった時のトンボの足の感触を初めて愛おしいと感じた。


楽しかったね。と笑いながら帰っていてほしい。