昨日ワイフが買ってきた秋刀魚が冷蔵庫に
長女が帰って来て冷蔵庫の秋刀魚を見て
【あぁ~もう秋か~】と一言

今日は佐藤春夫の詩集を取り出してみた

秋刀魚の歌
 
あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝えてよ
――男ありて
今日の夕餉(ゆうげ)に ひとり
さんまを食(くら)ひて
思いにふける と。

さんま、さんま、
そが上に青き蜜柑(みかん)の酸(す)をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
そのならひをあやしみなつかしみて女は
いくたびか青き蜜柑をもぎ来て夕餉(ゆうげ)にむかひけむ。
あはれ、人に捨てられんとする人妻と
妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
愛うすき父を持ちし女の児は
小さき箸(はし)をあやつりなやみつつ
父ならぬ男にさんまの腸(はら)をくれむと言ふにあらずや。

あはれ
秋風よ
汝(なれ)こそは見つらめ
世のつねならぬかの団欒(まどい)を。
いかに
秋風よ
いとせめて
証(あかし)せよ かの一ときの団欒(まどい)ゆめに非ずと。

あはれ
秋風よ
情(こころ)あらば伝えてよ、
夫(おっと)を失はざりし妻と
父を失はざりし幼児(おさなご)とに伝えてよ
――男ありて
今日の夕餉(ゆうげ)に ひとり
さんまを食(くら)ひて、
涙をながす、と。

さんま、さんま、
さんま苦(にがい)いか塩(しお)つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせて
さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
あはれ
げにそは問はまほしくをかし。


秋刀魚には猫がつきものということで
三女(ショコラ)の写真をUPしてみた
(撮影は次女の携帯)
なにしてるのかニャー・・・

カーネルの日記-ショコラ