街中でうわぁ、、、と弟くんが声をあげてこちらにぎゅっと寄って来るので、どうしたのかと思ったら、久しぶりに弟くんの怖がる類の物を見た。
動物シリーズは珍しい。
僕もこれまでに見たことがあるのは一度だけ。
今回のは男の人の肩と首にしっかりと巻き付いていた。
「あれと似た感じの、亜熱帯の植物園で首巻き体験やってる写真なら見たことあるよな?赤目で網目模様の」
「全然違う!全然違うって!!」
どうしてそんなに落ち着いているのかと問われると、お前が慌ててくれているからで。
どちらかが落ち着いていれば大丈夫なのだ。多分。きっと。そうだと言って?
「どっか座るか?」
「やだ。陽があたってるとこにいる。人がいるとこにいる」
そう言いながら、広場の真ん中でじっとり滲んだアブラ汗と涙を人の肩に押し付けてきてゴシゴシ拭いてくる弟くん。
「生きてる人間が一番怖いんやで?」
「知ってる。もう黙って」
黙らされてしまった。
3月ももう終わる。
嫌いな春がやって来る。