「ハリウッド映画化した米政治の機能不全」


4年前の米大統領選は、米マスメディアの事前予測が軒並み外れ「世紀の統計外れ」と揶揄されるくらいの大番狂わせが生じ、民主党ヒラリー候補を退け、馬鹿トランプが米大統領に就任した。

これが今日なお続く、ハリウッド映画顔負けの、世界を股にかけたはちゃめちゃ米政治の始まりだった。


馬鹿トランプは大統領として自国の経済政策策を優先するがあまり、多くの課題をアメリカ内外に叩きつけた。

まず、大目玉の経済政策についてだが、金融緩和と富裕層向けの大減税を実施し、わずか4年で米株価は50%以上上昇した。

だがその反面、馬鹿トランプが立て直しに並々ならぬ意欲を示していた製造業やエネルギー産業は斜陽の一途を辿り、庶民の所得は伸び悩み、雇用の流動性も高まった。

歴史に残る株高の恩恵が庶民にもたらされることはほとんどなく、それどころか、財政健全化を図ることを理由に、医療・教育・社会福祉など様々な福利厚生が削減された。

内政においては、移民排斥を活発化させた結果、移民の流入が激減し、アメリカの人種のるつぼとしての魅力が著しく損なわれ、民族分断が進み人種差別も増え、各地で頻繁に暴動が生じるようになった。

外交においては、オバマ時代のレガシーを軒並みぶっ潰し、国境の分離壁を巡りメキシコと、エルサレムでのアメリカ大使館設置を通して中東・北アフリカ諸国と、ハイテク覇権争いを通して中国などとの亀裂が深まった。

そんな馬鹿トランプに愛想を尽かした多くの側近が辞め、暴露本を曝け出した。


それでも、アメリカ人の馬鹿トランプに対する支持は絶大で、順調に事が進めば今年の大統領選でも再選する予定だった。

だが、中国病毒がその野望を見事にぶっ潰した。

馬鹿トランプは中国病毒を中国湖北省武漢市及びその周辺限定の局地的なものとみなして、感染を防ぐための水際対策を完全に怠った。

大統領就任時、ビルゲイツからインフルエンザを例に、アメリカでも近い将来新型ウイルス感染拡大に悩まされる可能性があると忠告を受けていたにもかかわらず

中国病毒が全米で猛威を振るった結果、多くの主要都市が数ヶ月間封鎖され、アメリカ経済は大恐慌に次ぐ縮小に追い込まれた。

さらに、数十万人が死亡し、数百万人が感染し、数千万人が一時的に職を失った。


大統領選直前のこのスキャンダルは馬鹿トランプを失脚させるのに十分過ぎた。

大票田激戦州「フロリダ」「テキサス」で勝利を収め、一時は4年前の再来を期待する声もあったが、その他の激戦区で軒並み敗戦し、2割近い大差をつけられて78歳の民主党バイデン候補に完敗した。

だが、馬鹿トランプは全米で1億通以上とされる郵便投票に不正があったために、今回のような結果になったと一点張りの主張を繰り返し、決して敗北を受け入れようとしない。

過去の大統領選で敗れた候補は皆、潔く敗戦を受け入れ、勝者にエールを送っていたのだが、この馬鹿はTwitter介した見苦しい態度に始終した。

今後、全米で裁判闘争を繰り広げるとも噂されている。

なぜ、馬鹿トランプが敗戦を受け入れないのかというと、大統領特権をなくした後、脱税疑惑の捜査が本格化し、巨額の追徴課税を課され、所有する全不動産を売却しても、中国病毒により軒並み地価が値下がりしたため賄いきれず、自己破産に追い込まれ、家族とも離縁を余儀なくされ、脱税の罪で逮捕され、有罪確定し、余生を刑務所の中で過ごさなければならなくなるためだとされている。

米政治の機能不全が伝播してか、世界の株式市場もこぞって、景気がドン底であるにもかかわらず、軒並み高値水準を推移している。

このハリウッド映画ばりの機能不全に陥ったアメリカ政治の結末は一体どのような形で迎えることになるのだろうか?