第2章: 不運な事故
5月、大会直前の夕方。
大会直前のある日
健太が練習中に転倒し激しく足を痛めてしまった。
痛みに顔を歪める健太を見て
翔太の心は一瞬で凍りついた。
「健太、大丈夫か?」
翔太はすぐに駆け寄り健太の肩を支えた。
「…痛い…」
健太の顔には苦痛が浮かんでいた。
周囲のチームメイトたちも動揺し
コーチはすぐに医師を呼んだ。
診察の結果、健太の足は複雑な捻挫で
試合に出場することは不可能だと告げられた。
翔太はその場で立ち尽くした。
「そんな…健太、なんで…」
翔太の声は震えた。
健太の目には悔しさと無念さがにじんでいたが
彼は無理に笑顔を作ろうとした。
「翔太、俺の分まで頑張ってくれ。
君ならできるよ。」
健太は力強く翔太の肩を叩いた。
翌日、病院。
翔太は学校の授業が終わると
すぐに病院に向かった。
病室に入ると健太はベッドに横たわっていたが
顔には少しの笑顔が見えた。
「翔太、来てくれてありがとう。」
健太は軽く手を振った。
「健太、大丈夫か?早く良くなるといいな。」
翔太は心配そうに健太を見つめた。
「俺は大丈夫さ。
君たちが試合に勝ってくれるって信じてるから
心配するな。」
健太は力強く言ったが
その目には涙が浮かんでいた。