「え、男装?きもちわる笑」

その言葉を聞いた瞬間 私の頭の中は真っ白になった。

ついに言ってしまったというかやっぱりそうだろうなというか。

とにかくすごく悲しかった。

「男装?普通にジャニーズとかでよくない?」

「TWICEとかなら分かるよ。でもわざわざ男装した女を好きになるってどういう事なの?」

「え、まさか女が好きだったの?」

この言葉に私は何も言い返せなかった。

確かに、今お母さんが言ってたことは全部正論(?)である。

自分でもなんで男装アイドルを好きになったのか分からない。

やっぱりこう言われて当たり前なんだな。

自分の趣味は気持ち悪いのかな。って考えた。


「なんで人の趣味馬鹿にするの?」


次に私の口から出た言葉は思っていることとは全く違うものだった。

こんなこと言うつもり無かったのに。

すごくびっくりした。

この言葉を言った瞬間、お母さんは黙ってしまった。

やっぱり言っちゃいけなかったよな。

そう思って謝ろうとしたその時だった。

「いつなの?ライブ。」

お母さんは私に聞いてきた。

「7月1日」

「ふーん。」

・・・

そこで会話は終わった。


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2016.0830


当時小学5年生だった私は、自分の部屋でのんきにテレビを見ていた。

6時台はニュースばかりでつまらない。

この時間帯はいつも2チャンネルを見ていた。

「あ、始まった!」

大好きなRの法則が始まったのだ。

「今日のゲストは、風男塾のみなさんです!」

(ふ、だんじゅく?)

(初めて聞いた、、みんなイケメンだな〜)

(アイドルとかなのかな...)

そんなことを考えていた。

「波〜!」

"こんばん波!!"

(...え?笑)

(かめはめ波的な?笑)

初めて風男塾の挨拶を聞いた時に思ったのがこれ。笑

「俺たち」

"風男塾です!!"

スタジオが一気に盛りあがった。

(風男塾....)

「みなさんは男装アイドルという事で...」

・・・

ん...???

男装???


・・・


「え!!!!」


思わず声を上げた。

「何〜?どうしたの〜?」

と、台所からお母さんの声が聞こえた。

「なんでもないよ!」

とだけ言い返して再びテレビの画面に集中した。


(男装?ってことはみんな女の子なの?)

(こんなイケメンばっかりなのに?)

そんなことをずっと考えていた。

やっと理解が出来た時、不思議な感覚に襲われた。

"自分が夢中になれるもの"

それを見つけられた気がした。

デート企画、スタジオでのトーク、曲披露など、どんどん番組が進んでいく中で、

"もっと知りたい"

"もっと見ていたい"

そう思うようになっていた。

(この人かっこいいな、愛刃健水くん。)

デート企画のお好み焼きひっくり返すところとか、

かっこいい言葉しりとりの吉田さんとか、

歌もダンスも上手で、話してる時とは違う目付き。

すごくかっこよくて、面白くて。

(愛刃健水が好きだ...)

そう思った。

それからは、毎日YouTubeで風男塾の動画を見ていた。

MVとか公式チャンネルの動画とかその他もろもろ見ていく中でどんどん風男塾が、健水くんが好きになってた。

でも、趣味を出すのに少し引き目を感じていた。

(男装って言ったら引かれるかな。)

と、周りからの目を気にして誰にも言わなかった。

好きなものを誰にも言わないのはなかなか大変だったけど、なんとか頑張って1年半くらい隠し通してきた。








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「あのさ、もえか、」

次の日の朝。

お母さんに声をかけられた。

「ん?何?」

「昨日言ってたライブのこと」

一瞬時が止まった感じがした。

何を言われるのかと思って少し怖かった。

ただ黙って頷くことしか出来なかった。

「いいよ、行っても。」

また時が止まった感じがした。

理解するのに時間がかかった。

「え?」

「いいの?」

信じられない、というように聞き返した。

「うん、いいよ☺️」

満面の笑みでお母さんはそう答えた。

(これは現実なの....???)

そう思って顔を叩いてみた。

夢じゃなかった。

それくらい嬉しかった。

(やっと健水くんに会いに行ける)

その日からはライブのことで毎日頭がいっぱいだった。



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ライブ当日


早起きは苦手だったのに何故かすんなりと起きられた。

朝から丁寧に洗顔して

 髪の毛しっかりとかして 

意味がわからないくらい女子っぽいことしてた。笑

会場に着いた時はテンションが上がりまくってた。

初めての物販では緊張しまくって

結局買うって決めてたものが買えないという(笑)

ペンライト買うつもりだったのに

いつの間にか両手には大量の生風ォト。笑

え、なんで買わなかったんだろう。

って自分が不思議になった。

いよいよライブ開始。



もし恋のイントロの時にこうき君がメンバーに魔法かけてた(?)のが可愛すぎて、、

こうき君に魔法かけられてぱって顔上げた健水くんがかっこよすぎて。

遠かったけどちゃんと見えた。

遠くからでもちゃんと見えた。

すごいかっこよかった。

あれが私の推しなんだ。

2年近く思い続けてやっと会えたっていう感動がすごくて、そこでもう うるうる、、

その後も健水くんのかっこよさに見惚れて曲なんか全然集中して聞けなくて。

ずっとずっと健水くん見てたらいつの間にか3曲終わってた。

初めて生で見た挨拶。

めっちゃかっこよかった。

というかみんな笑顔で素敵だった。

たった今3曲終わらせたばっかなのに笑顔?!

疲れてないの?!

って思った。

息一つ乱れてない風男塾さんにただただ感動。()

その後も曲を聞いておめでとうコーナーまでやってきた。

誰が呼ばれるのかなってわくわくして、

もしかしたら呼ばれないかなって地味に期待してた。笑

「では次の方行きましょう!!」

「えー、お名前の方、あやさん!」

その瞬間、隣にいた友達(あやちゃん)を見た。

2人で、え、まさか?え?って話してた笑

「頑張って勉強して、受験に合格できた!」

健水くんがそう言った瞬間、会場がわーっと盛りあがった。

「え、あやじゃない?!え?!」

「まってやばい!!!」

「手振りなよ!!」

「まってやばい!!!」

っていう偏差値低めの会話を何度かして笑

「しかもなんと中学受験です!!!」

また会場がわっと盛りあがった

メンバーが「すご!」とか言ってて

すごい羨ましかった。笑

「あやさん!いませんかー?」

健水くんがそう呼び掛けた瞬間

元気よく手を挙げたあや笑

「わー!!あやちゃん!!!」

メンバーが"おめでとうございます!!"っ言ってる中、(本人は宙くん(推し)におめでとうって言って貰えて手振ってもらえてガチ照れしてた)

私はずっと健水くん見てました笑

水色の服と100均で買った光る青い棒。

健水くんに見つけて貰えました。

まあそれは隣の子見てるから当たり前かもだけど笑

すごく嬉しかった。

あやから視線が私の方にずれたと思って、

胸のあたりで青い棒思いっきり振ってた。

そしたら健水くんが笑ってくれた。

ニコって。

何があったのかわからなかったけど

心の底から込み上げてくる何かがあって

隣の子に

「どうしよう無理!!健水くんが笑ってくれた!!」

って言い続けてた。

ほんとに幸せだった。

その日は時間なくて特典会参加できなかったけど

ニコってして貰えたことが嬉しかった。


ライブ終わり

私が最初に口にした言葉は

「これからもずっと健水くん推す。大好き。」

その一言だった。


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あんまり会いに行けないし、

グッズもそんなに買えないし、

歴も浅いし、

分からないことだらけだけど

健水推しやってる時間はすごい幸せ。

推しのツイートで舞い上がったり、

風王のみんなとリプで話したり、

現場行くために勉強頑張ったり、

健水推しやっててよかったな。

風王やっててよかったな。

って思います。


男装なんて気持ち悪い。


そう思う人がいるかもしれない。

前までは人の目気にしてたけど

今はだから何?

って言い返せるようになった。

女が女推しちゃいけないのか。

男装の何が気持ち悪いのか。

"例え男装だとしても幸せにしてくれる最高で大好きな推しだよ。☺️"

私はいつもそう言ってます。


長々堅苦しく書いたけど

風王してて幸せです🥰