小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 - -342ページ目

いにしえのパズル - 「日本いにしえの旅」オフライン編集 初日


Final Cut Pro5 編集画面


 BSフジ「日本いにしえの旅 ~もののふの都、鎌倉~」、本日よりオフライン編集が始まりました。カートプロモーションのオフライン編集室にお邪魔しております。


 テレビやデジタルシネマのオフライン編集というものは、ほとんどFinal Cut Proが業界標準です。私個人では映像編集を始めた頃から長年Premiereを使っているので、最初は若干の違和感がありました。が慣れれば同じ、編集ソフトというものは切って貼って繋ぐ基本的な操作はどれも大体一緒なので、あとはWinとMacの感覚の違いを体に覚えさせるのみです。


 上の画像は編集中の様子です。横に置いてあるのは合計4テラほどの外付けHDD。皆さんにご覧頂く「日本いにしえの旅」は1時間番組──CM時間を省けば約50分ほど──ですが、撮影した素材は40分のHDCAMテープ10本にも及びます。即ち編集とは、その中から最も良いカットを選別して繋ぎ出す作業に他なりません。


 編集は映像制作において最も面白い部分であり、最も重要な工程でもあります。今から80年以上前、エイゼンシュテインがモンタージュ理論を確立した時代から、その手法の根幹は変わっていません。独立した2つ以上のカットを繋ぐだけで、そこに映像的な意味合いが生まれてくるのです。


 例えば何秒でもいい、何かを見ている男性の顔のカットと目玉焼きのカットを繋ぐと、一連の映像を観た観客には、男が目玉焼きを見ているシーンだと感じられます。ともすると男が目玉焼きを“食べたそうにしている”顔に見えてくるかもしれません。


 それぞれワンカットだけではそれそのものの意味しか持たない映像が、カットが連なるだけで別の意味合いを持つシーンに変わるのです。編集次第で、観客の心を如何様にも左右することが出来る、それこそが編集の醍醐味であり、まさにモンタージュの原理です。


 さて、この編集作業は今月末まで続きます。精巧なジグソーパズルのように、一コマ一コマ、着実に組み立てられてきました。完成図は、まだ私の頭の中です。