チェ・ヨンよん4

チェ・ヨンよん4

チェ・ヨンに夢中の管理人です♪
完璧に管理人の妄想のお話です。
感じ方は人それぞれ。
自分と違う、と思った方はどうぞお引き取り下さいませ





ジッと見つめる
白くてフワフワ
せいろの中で湯気にまとわれ
私の訪れを待っているよう

大好きな、おまんじゅう


「いつまで見ているんですか?」
隣に立つウダルチテジャンが言う
「買わないのですか?」
「見ているの」
「見ているだけでは腹は膨れませんよ。
金なら、あります。頼んでは?」
店の主人に声をかけそうなテジャンの腕を握る

びっくりしたように、私が握る腕を見やる

「いいの。私、ダイエット中だから」
「だいえっと?」
「からだが重くなってきたから。痩せようと思って」
「ああ、確かにイムジャはすこおし顔が丸くなりました」
テジャンの言葉に両頬に掌をそわせる
「え?ホント?」
びっくり眼の私の耳に囁く
「はい。健康的で私はよろしいかと思いますが」

ギリ、とテジャンを睨む
あんたは良くても、私はダメなの!
「テジャンがわかるくらいなら、やっぱり太ったんだわ!」
「太った、というより、なんというか…」
男は何かを思い出すようにジッと私を見つめた

「ふくよかになった?」
その台詞に私は男の背中を思い切り叩いた
「同じでしょ!」

フーフー、と猫が毛を逆立てるように息巻く私に、肩をすくめる
「そんなに気にするほどでもないのに。」

テジャンはそう言うとハッと一声気合をいれた
私のからだが宙に浮く

「キャッ」
すとん、とテジャンの腕の中
私はお姫様だっこをされていた

「なによ、急に」
「お静かに。思い出しているのです」
「なにを?」
「ほら、あなたがピョンナンドで逃げたとき、こうして抱いたではないですか」
ああ
確かにテジャンにお姫様だっこされた
あまり愉快ではない状況だったけど。
「うん、その時とあまり大差なく感じます」

そうして私を見下ろす黒曜石の眸
じっと、目が合う
私のドーパミン放出!
ドキドキして、私は手足をドタバタさせた

「降ろしてよ〜」

「そんなに手足をバタバタされては・・・」

しかめつらをしながら、地面に私を下した
「いい歳のおなごがみっともない」
「あんたが突然抱っこするからでしょ!」
「太った、というから確認したまでです」

ん、もう、あんな人通りのある公衆の面前で!
指さし、私たちを見ているような気がする

私はおもわず小走りで逃げてしまった



市井の傍の橋のたもとまでくると
自然、歩調はゆっくりとなる
少しして、テジャンが後ろから走ってきた

「一人で行っては危ないでしょう?」
「ふん。テジャンが傍にいなくても、
きっと私が見えないところから誰かが私を見張っているんでしょう?」
そういうと、なにも言わずに男がニヤリと笑った
ん、もう、聞かなきゃよかった

「ほらほら、機嫌直してください」
そういうと、手に持っていた包みを私に差し出す
中にはあの、白いふっくらしたおまんじゅう!

「こうてきましたよ。召し上がってください」
「食べないっていったじゃない!」
「怒りっぽいのは甘いものが足りないからですよ。
こんなまんじゅうひとつ食べたからって、太りませんよ。
それより気持ちがささくれるほうがよっぽど体に悪いと思いませんか?」

そんなこと、わかってるわよ
でもね、でもね

「召し上がりませんか?」

そう言うと、テジャンは石垣に腰を下ろす
「では、遠慮なく俺がいただきます」

そう言って、まんじゅうを手に取った

「あなた、甘いもの食べないんじゃないの?」
「たまには食べたくなりますよ、俺だって」
そう言って、まんじゅうを二つに割った

おいしそうなあんこがぎっしり詰まっている
私は思わず、つばを飲み込む

ここのところ、甘いものは避けてきた
顔ばかりか
ウエストにも肉がついたみたいだったから
甘いものは敵!とばかりに
周りから退けていた

二つに割った蒸したてのおまんじゅうから流れる
なんて、甘い、いい香り!

「ではいただきます」
テジャンの手が、まんじゅうを口元に持って行く
私の手が、反射的にテジャンの腕をとらえた

「なんですか?」
まんじゅうを口元から離すといぶかしそうに私を見つめる

「あ、あのね」
口ごもってしまう
つい、手が出ちゃったのよ

「半分、おまんじゅうくれないかなあ?
半分なら、きっと太んないわよね?」

テジャンは笑いながら、半分のおまんじゅうを私に差し出した

「大丈夫ですよ。その分、動けばよろしい」
それができないのよね~、とぶつぶつ言いながら受け取ると
おまんじゅうを頬張った

「おいしい~!」

ああ、やっぱりおまんじゅう食べている時が一番幸せだわ!

「あなたは食べている時が一番幸せそうだ」
私の心の中を見透かしたようにテジャンが言う。
そうして、全開の微笑みを私にくれた
わお!
ドーパミン、再び大量放出!
ドキドキしちゃうじゃない

思わずむせた私に、テジャンが懐から竹筒に入った水を差しだした

「大丈夫ですか?」
水を飲んで返すと、自分のまんじゅうを私に差し出す
「これもどうぞ」
「半分でいいのよ」
「半分も1個も同じですよ。それに」
竹筒を懐にしまいながら、小さな声で、言った

「あまり痩せると抱き心地がよろしくない」
「え?」

なんて言った?

「ねえ、いま、なんて言ったの?」

鼻先をぽりぽり掻きながら、テジャンは答えた

「私は今のくらいが好みだ、と申し上げたまでです」

やおら立ち上がると、急にあたりを見渡す

「さあ、早く召し上がってください。
だいぶ遅くなりました。戻りましょう」

もしかして、照れてる?
あっちを向いちゃって、テジャンの顔は見えない

でもでも

テジャンの好み、かあ

私は、なんだか、うれしくなって
食べてはいけないはずのもう半分のおまんじゅうも
ぽい、と口に中にほおりこんだ











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ご無沙汰してます
mamikoっち♪です
暑いですね~
熱い、の漢字のほうがしっくりくる感じ

↑お話、ちょっと季節が合わないけどお許しを~

東北の台風、宮崎の地震
みなさまご無事ですか?
被害がないこと願っております

どうぞ、みなさま、これから何事もなく夏が過ごせますように

体調気を付けてくださいね

mamikoっち♪